この傷どうしたらいいですか?
そんなお悩みにお答えします。
丁寧に丁寧に、なるべく傷がつかないように大切に扱っている高級時計に傷がついてしまった。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
わたし自身も、気をつけて使用していますが、急いでいたり、仕事で焦っていたりすると知らず知らずのうちに傷がついてしまっていて、よく落ち込んでいました。
傷つかないように気をつかいながらも、傷を発見して、へこんでしまう。
そんな思いをした方もきっといらっしゃるでしょう。
この記事では、
- 傷にはどんな種類の傷があるのか
- 日常どんなときに、どんな傷がつくのか
- ついてしまった傷が買取時にどんな影響を及ぼすのか
を詳しく説明しています。
行動パターンを知ることで日々気をつけるポイントがわかります。
そして、ついてしまった傷がその後の買取にどんな影響を与えるのかまでも解説していきます。
この記事を読むと、高級時計の傷に対するストレスが少し軽減しますよ。
目次
どんな傷があるのか
時計に付く傷とは、どんな種類のものがあるのか見ていきましょう。
打ち傷
硬いものに打ちつけることによりできる小さな「へこみ」のような傷。
線傷
線状の比較的浅い傷。
細かく短いものなら「小傷」となります。
ガリキズ
深くガタガタした削り傷のことをいいます。
深い線傷がいくつも集まったような傷で、打傷の凹みの深さと、線傷の長さを組み合わせたような傷です。
時計の素材によっても違う、傷の付きやすさ
高級時計の素材の中でも「ゴールド」「チタン」「ステンレススティール」は外装素材の定番で、世に出回っている高級時計の大半はこの3素材で作られています。
素材によって傷がつきやすいか、つきにくいかにも関わってきます。
硬度でいうと、チタン>ステンレススティール>ゴールドになります。
最もシェア率が高いのはサビにも強く耐久性のあるステンレススティールですが、チタン合金の方が硬度が高く、傷がつきにくいといえます。
一番使われることが多いステンレススティール素材。
わたし自身も、ステンレスの時計を使っています。
硬度も高い方ですが、使い方によって傷はつきます。
実際わたしの時計も小さい傷はついてしまっています。
実際に素材でどこまで違うのか、チタンの時計をもつ友人の時計を見せてもらいましたが、傷は付いていました。
ただ、同じ傷でも浅い傷が多く、打傷になりにくいという印象です。
結論としてどんな素材の高級時計でも、傷はつくということです。
傷がつく要因と行動パターン
日常的に腕時計を着けていると、当たり前ですが傷がつきます。
私も普段と変わらない行動をしていて、気をつけていても壁にぶつけてしまったり、鞄の中の物で傷ついたり。
普段の生活でも腕時計が傷つく要因はたくさんあります。
私が10年以上、高級腕時計を着けてきて、日常的に行う動作で時計に傷が入ってしまったパターンを紹介していきます。
落下
これはもちろん傷が付きます。傷だけでなく故障の原因にもなります。
ケースの破損だけでなく、ムーブメントが故障してしまったり、針の脱落の原因にもなります。
落下のきっかけになるのが時計の着脱時です。
立った状態や屋外での時計の着脱は落下のリスクが高い行為です。
なるべく避けるようにしましょう。
ドアノブや車のドアでぶつける
ドアノブはステンレス製であることが多く、先程説明したようにステンレスはそれなりの硬度があります。
そのため時計をぶつけてしまうと、打傷の原因になってしまいます。
急いでいるときも十分気をつけましょう。
上着のポケットに手をいれたとき
わたしの癖でもあるのですが、寒い時期にポケットに手を入れることがよくあります。
余談ですがわたし自身、今までジッパー付きのポケットを好んで着用していました。
物を落とす心配もなく、実用的ではあったのですが、腕時計を着けた状態で手を出し入れしているとジッパーで擦れて無数の傷が付いてしまいました。
それからはジッパー付きの上着はもう選ばなくなりました。
服選びにも細心の注意が必要です。
パソコンのキーボード
主にバックル部分に傷がつく原因となるのが、パソコンのキーボード。
必死に仕事をしていると気づかないこともありますよね。
傷とは別にもう一つ注意したいことが、パソコンは電化製品なので、磁気帯びの原因にもなることを頭にいれておきましょう。
耐磁性能のない時計は要注意です。
カバンに手を突っ込んだとき
これも、ほんとうにやりがちで、わたしも何度も自分の行動を反省したことがあります。
まず、かばんの開口部分、かばんの中のポケットはジッパー式が多いことが傷のリスクにつながります。
わたし自身、よく小さいものを手探りで探し、傷を付けてしまったことが何度かあります。
カバンからものを取り出すときは、腕時計を着けていないほうの手でおこなうように心がけましょう。
通路で壁や机にぶつける
職場で人とすれ違うときに、ちょっと体をよけたとき、通路が狭く、机が多いオフィスなどで机の間を通るときに、壁や机にぶつけることがあります。
狭いところを通るとき、机の角や机上の棚などにガツンとぶつけてしまうのはよくあることですよね。
狭い通路を通るときは特に、腕時計をぶつけないように注意しましょう。
重いものを持って擦る
重いカバンや、大きく重い荷物を持ち運ぶときは、底から抱えるように持つと思います。
この時、荷物にベルトが当たり、傷つくことがあります。
強い力で時計と荷物が擦れるので、傷が入りそうなのは簡単に想像がつきますね。
重いものを持つ時は必ず腕時計を外すようにしましょう。
自動販売機の取り出し口
これは、間違いなく時計をぶつけたり、傷がついたりするので注意が必要です。
時計をしていなくても缶やペットボトルを取り出す時に手が引っかかるくらいなので、取り出す時も、時計を付けてない方の手で取りましょう。
子供と遊んでぶつける
子供と遊んでいるとき「あっ、しまった!」と、なることも多いのではないでしょうか。
子供を抱っこするときも、ズボンについているボタンや金具などに当たってしまったり、遊具で一緒に遊んでいるときも気づかず腕時計をぶつけてしまうことがあります。
子供と遊ぶときは、特に子供に集中しているので、わたしは、必ず腕時計は外して遊びます。
ラケットスポーツでぶつける
ラケットを思いっきり振ったときに時計に当たると研磨でも取り切れない傷が付いてしまったり、ガラス風防が欠けたりする可能性もあります。
私は趣味でテニスをしますが、ラケットを使うスポーツは腕時計に傷がついたり破損したり、リスクがたくさんあります。
以前、ラケットが当り深い傷がついてしまったことがあります。
基本的にどんなスポーツでも高級な腕時計は外して行いましょう。
アクセサリーとの併用
腕時計とブレスレットなどのアクセサリーを重ね付けする方もいます。
私も若いころはアクセサリーとの重ね付けにはまり、シルバーアクセサリーを一緒につけていました。
アクセサリーにもよりますが、チェーン系のブレスレットや、金具が付いたものは、時計にかなり傷が付いてしまいます。
アクセサリーと腕時計を重ね付けする時は、アクセサリーの素材も含めよく考えてから使用しましょう。
日常の行動で傷がつくパターンを見てきました。
では次に、傷がついてしまったらどうしたらいいのか見ていきましょう。
傷がついてしまたら
上記で例をあげたように、日常使用していると避けられない傷。
普段の生活での細かい傷はしかたないですが、強くぶつけたり、落下だけは避けたいですね。
大な傷やへこみ、欠けにならなければ磨けばきれいになりますし、オーバーホールの際に研磨もしてもらえば新品のように見違えります。
細かい傷ならオーバーホールでピカピカに
この投稿をInstagramで見る
日常生活の中でつく小さな傷であれば、オーバーホールのタイミングで全てピカピカになって戻ってきます。
ですので、それほど心配する必要はありません。
オーバーホール
基本的に時計のオーバーホールの目安期間は「3~5年に1度」と言われています。
オーバーホールの基本料金に外装研磨が含まれていることがほとんどです。
このタイミングに合わせて傷のお手入れも検討すると良いですね。
特に何も指示しなくても、時計の内部だけではなく、外側までピカピカになって戻ってくるなんてありがたいですね。
傷だらけの高級時計は【修理】で生まれ変わる
そんな場合には、「修理」で時計を元通りにするという方法があります。
修理に出す際のポイントを抑えておきましょう。
修理料金の目安
最も気になるのが「費用」ですよね。
- どのブランドの製品なのか
- 傷が入っている部分がどこなのか
- どこに修理を依頼するのか
によって費用の目安は大きく異なってきます。
「ロレックスの時計の風防に大きな傷が入ってしまった。」という場合を例にとってみると、18,000円からが修理費用の目安となります。
また、ケースやブレスレットが傷だらけになっていて、研磨だけでは対応ができない場合には、やはり交換を行う必要があります。
修理、交換に関しても、モデルや素材によっても料金は変わってきます。
まずは信頼できる業者を選び、修理費用の見積もりを依頼することが大切です。
腕時計についた傷は自分で取れるのか?
生活で少し傷ついたくらいの傷なら、オーバーホールまで、自分でなんとかしたいという方も多いのではないでしょうか。
深い打ち傷や凹みは完全に取ることはできませんが、腕時計の外装の傷は、「表面の研磨」によって取ることとなります。
「ポリッシュ」「仕上げ」などと呼ばれる、表面の研磨で目立たなくすことは可能です。
ただ、高級時計であれば尚さら、セルフ研磨はあまりお勧めできません。
理由を詳しく説明していきます。
もともとの仕上げを崩してしまう
大きい理由として、仕上げを崩してしまう可能性がきわめて高いからです。
セルフ研磨をすることで、綺麗になるどころか外観を損なってしまう場合がります。
自分で研磨を行うやり方として、市販の耐水ペーパー(紙やすり)、研磨剤を用いる手法が挙げられます。
この手法で傷を磨いていくと
傷部分のみならず大きな範囲を削ってしまう
削りすぎてしまう
というリスクがあります。
小傷は取れるかもしれませんが、これがもともとの仕上げを損なってしまう原因になります。
高級時計こそ、プロに任せる
高級時計の外装部分には、メーカーが専用機械で丁寧に仕上げを施しています。
「鏡面仕上げ(ポリッシュ)」「ヘアライン仕上げ(ツヤ消し)」も、これらは専用機械によって行われ、メーカーそれぞれで独自性があります。
あまり慣れていない方が研磨してしまうと、この仕上げの筋目が変わってしまったり、歪みが出てきてしまう原因にもなります。
友人の事例ですが、自分でメンテナンスをしたくて研磨剤を時計に塗布した際、ケースと風防のつなぎ目やリューズ部分にも付着させてしまい、内部ムーブメントに影響を与えてしまいました。
そのため、オーバーホールが必要となり、思わぬ出費があった。
という話を聞いたことがあります。
このような理由から、腕時計についてしまった傷は無理して自分で研磨を行わず、プロに任せることをわたしもお勧めします。
傷つけないように日頃からできること
傷がついた時の対策も理解していただけたところで、日頃から時計に傷がつかないようにするためには、どんなことができるのでしょうか。
服で保護
夏の暑い時期は無理ですが、傷を付けたくない時計をするときは、なるべく長袖を着るようにしています。
時計はアクセサリーなので積極的に露出したいところですが、半袖では時計が剥き出しになるので、時計が色んな物と接触し傷が付くことが多くなります。
用途ごとに時計を変える
TPOに合わせて使い分けることが、傷を付けないコツでもあります。
作業を伴う仕事やスポーツをする時は、傷が付きにくい時計や傷ついても気にしなくていい時計を用意しておくと安心です。
わたし自身、頑張って買ったロレックスをどんな時でも着けたいのですが、大事にしたいという気持ちも強いので、1本「サブ」の時計も用意しています。
ケースを持ち歩く
この投稿をInstagramで見る
時計のケースを常にカバンの中に入れておき、傷が付きそうな場面になったら外し、このケースの中に収納しておきます。
ただ、外すだけではなく、外してからもケースに入れて保護することが目的です。
ケースはわたしも、常に鞄の中に常備しています。
高級時計の傷は買い取りに影響する?
傷がついた腕時計は買取に影響するのかということも気になりますよね。
高級時計を投資目的に使用していたり、いつか買取に出したいと考えている方も多いはずです。
では、時計についた傷は買取にどのように影響するでしょうか。
結論としては、時計の傷には買取価格に大きく影響するものと、買取価格への影響が比較的小さいものとがあるということです。
どのような傷なら買取価格への影響が少なくて済み、買取価格に大きく関わる傷とはどのようなものでしょうか。
確認していきましょう。
買取価格への影響が小さい傷
買取価格への影響が小さい傷とは、外装研磨することで取り除くことができる程度の「細かい傷」のことです。
買取業者側も、中古の時計を買取するので、日常的な使用で付く細かな傷は、織り込み済みで、多くの時計買取業者は修理工場と提携しています。
また自社の修理工場を持ち、買取した時計の外装研磨をできるように準備している店舗もあります。
多くの時計買取業者はそもそも「買取した時計には外装研磨が必要」という認識で買取をしています。
外装研磨で取り除くことができる程度の細かな傷は、買取価格には大きくは影響しにくいのです。
安心しました。
買取価格に大きく影響してしまう傷
一方で、研磨によって取り除くことができない傷が付いてしまっていると、もちろんですが、買取価格に大きく影響してしまう恐れがあります。
具体的には、時計をぶつけたり、落としてしまったことによるへこみ、ガラス部分への損傷、名前などを刻むために彫りこんだ傷といったものです。
これらは外装研磨では取り除くことができないため、部品を交換するなどの専用の修理が必要になります。
買取業者としては、買取してから販売までにそれだけ修理費用がかかりますから、買取価格を高くつけるのは難しいです。
ですので、これらの傷がある場合には買取価格が落ちてしまうことは避けられない場合が多くなります。
あっ!と気づいた時には手遅れ!高級時計を傷つける見直すべき悪習慣 : まとめ
いかがでしたか?
いくら高級時計でも、使い方によれば傷はついてしまいます。
ただ、日頃から自分の行動パターンを意識することで、傷がつくのを防げるものです。
また、買取に出すにしても、少々の傷なら買取価格に響かないことがわかっていただけたかと思います。
あまり神経質になりすぎず、ご自身の大切な時計と素敵な時間を刻んでください。