そのような疑問にお答えします。
高級レザーで作られた、エルメスのピコタン。
「せっかくならキレイに使いたい」誰もがそう思うことでしょう。
誰かにプレゼントされた物なら、送った側も大事に使われているとうれしく思うはずです。
しかし、かなしいかな。レザー製であるピコタンは、大変デリケートなバッグです。保管方法を間違えると簡単に型崩れやカビなどの影響が出てしまいます。
いざ使う時に、大事にしまっていたバッグにダメージが加わっていたらがっかりしてしまいますね。楽しみにしていたお出かけだとしても、ショックで楽しめなくなるかもしれません。
この記事を読むことで、ピコタンを保管するうえで注意しなければならないことが分かります。
ピコタンの保管方法にお悩みの方の一助となれば幸いです。
目次
ピコタンの不適切な保管によるリスク3選
主に気を付けるべきリスクは以下の3点です。
- 型崩れ
- カビ
- 変色
愛用のピコタンはもちろんのこと、他のレザー製のバッグにおいてもこの3点は気を付けるべき所です。
では、保管の際に気を付けなければならないリスクについて、一つづつ見ていきましょう。
型崩れ
ご存じの通り、ピコタンは自立しません。
何の対策も講じずに置いておくと、重力に負けてくたっとします。
くたっとしたままの保管は型崩れの原因に直結します。大切なピコタンに折れしわが出来てしまうこともあるでしょう。
また、湿気も型崩れの原因になります。水分に弱いレザーバッグでは最も気を付けるべき敵です。
湿気は、簡単に型崩れやしわに繋がるやっかいな存在なのです。
カビ
湿気と聞くと、カビを連想する方も多いのではないでしょうか。
一般的に湿度が低いと言われているヨーロッパとは違い、日本は湿度が高い地域です。適切な管理をしなければ、ピコタンにカビが生えることも珍しくはありません。
特に、レザーはカビの栄養源足りうる油脂が含まれています。湿気と合わさると簡単にカビが発生するリスクが高いといえます。
ピコタンの水濡れに対する不適切な処置でも、カビのリスクは高まります。
水濡れ時の対処法も知りたい方は、以下の記事が参考になります。気になる方は一読することをおすすめします。
変色
変色のリスクは様々な面で起こります。
- 水濡れ(湿気)
- 他の革製品との接触
- 紫外線
- 摩擦
- アルコール
もう聞き飽きてしまった方もいるかもしれませんが、変色のリスクにも湿気が関わります。
湿気による水分がある環境下で、他のレザーとの接触は避けてください。スティッキー現象という馴染みのない事の餌食になり、レザーの皮膜がはがれたり、色落ちに繋がる可能性があります。
ポイント スティッキー現象を簡単に説明すると、レザー同士がくっついてしまう現象。 レザーとレザーの接触と湿気による水分が合わさることで発生しやすいです。 リスクとして、くっつきを剥がす際に、皮膜が剥がれ、色落ちすることに繋がります。
レザー製品は紫外線にも強くありません。
長時間紫外線に触れると、日焼けによる色褪せのリスクがあります。全体的に色褪せる分には味が出て良いのかもしれません。しかし、部分的な色落ちはリスクでしかありません。
直射日光があたるところはもちろんのこと、蛍光管からも紫外線が発生するので注意が必要です。
保管の際には摩擦は気にしなくて良いでしょうが、使用時には服などとスレ無いように注意しましょう。
最近ではコロナ禍の影響もあり、アルコール消毒の機会も増えましたが、アルコールも変色の原因になります。
アルコールは常温でも蒸発する性質があります。アルコールがピコタンなどのレザーバッグに付着すると、油分や塗料も蒸発してしまうことがあります。
保管とは直接の関係はありませんが、使用時の注意点として覚えておいて損はないでしょう。
適切にピコタンを保管する方法
ピコタンを適切に保管するためのポイントは6つあります。
- 形を整える
- 適度な湿度
- 立てて保管
- 他の製品との接触を避ける
- 通気性
- 直射日光を避ける
上記のポイントを抑えた具体的な保管方法を紹介します。
あんこ(詰め物)の使用
ピコタンの形を整えるためには、あんこ(詰め物)を使うことが大切です。
ピコタンは自立せず、また、柔らかみのあるバッグです。詰め物なしで保管すると、重力に負け、シワがついたり形崩れにもつながります。
あんこに使用するものは、身近なもので言えば、新聞紙で構いません。
丸めて、ピコタンの形に沿って敷き詰めると形崩れを防ぐことができます。
保管とはいえ、
そんな方にはバッグピローという、バッグ用の枕のようなアイテムがあります。
バッグのサイズにピッタリに作られたクッションで、中に入れるだけで形崩れを防ぎます。
ハンドメイドでネット販売されているので、詰め物にもこだわりたい方は検討してみてはいかがでしょうか。
カビ対策に乾燥剤が有効
カビの大きな原因は湿気。前述の通り、レザーはカビやすい素材の一つです。
多湿である日本では、ピコタンのカビにはしっかり気をつけたいところ。対策の一つに乾燥剤の使用が有効です。
バッグピローをご紹介しましたが、乾燥剤を入れるポケット付きのものもあります。
直に乾燥剤を入れることに抵抗がある方にもピッタリかと思います。
カビ対策に乾燥剤は有効ですが、2つ気を付けるところがあります。
- ゼリー状になる乾燥剤を避ける
- 乾燥剤は1個で十分
ゼリー状になる乾燥剤がバッグに付着すると、革が硬くなったり縮む原因になります。万が一を考えると使用しないに越したことはありません。
また、カビ対策のつもりでいくつも乾燥剤をバッグに入れるのはやめましょう。
乾燥しすぎることで、ひび割れなど新たなリスクを生みます。バッグの中の乾燥剤は一つで十分です。
不織布袋の使用
不織布袋にいれて保管すると、ほこりを避けることができます。さらに直接色移りの心配があるものとの接触を避けることができます。
たしかに、ほこりや色移りを防ぐだけならビニール袋でも良さそうですよね。ビニール袋はあっても、不織布袋は持っていない方も多いでしょう。
結論を言うと、ビニール袋は絶対にやめましょう。通気性がわるく湿気によるトラブルが考えられるからです。
通気性が良くバッグを保護することができるため、不織布袋は保管に最適といえます。
バッグをしまえるような不織布袋は、100均でも売られています。簡単に手に入る物なので使わない手はないでしょう。
また、ネット上では巾着型の袋も売られています。値段は様々ですが、1000円程度で購入可能です。
収納場所と方法
大切なピコタンの収納場所は、通気性が良く直射日光のあたらない所にしましょう。
そんな方はクローゼットの中で問題ありません。ただ、いくつか気を付けてほしいことがあります。
- クローゼットを開けて定期的に換気する
- クローゼット内は整理整頓しておく
- ピコタンは立てて保管
クローゼット内を整理整頓しておくことは、ピコタンと他の製品の接触を防ぎ、換気もしやすくするメリットがあります。整理整頓にピッタリで、立てて保管するのにも便利なアイテムも売られていますよ。
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ご自宅のクローゼットに適した収納グッズを活用すると、整理整頓も簡単になります。仕切りがあると、レザー同士の接触も避けられて一石二鳥ですね。
その他には、吊るして保管するのもおすすめです。換気がしやすいメリットがあります。
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注意点はハンドルが伸びてしまう可能性があることです。長期の保管ではなく、短期の保管では吊るしておくと良いでしょう。
また、アウターなどと接触しているような環境も良くありません。換気がしにくいだけではなく、湿気で湿っていた場合など色移りのリスクも出てしまいます。
適切な保管によるメリット2選
適切に保管をすると以下のメリットがあります。
当然ですが、適切な保管をすることでキレイな状態で使用できます。
お気に入りのピコタンを完璧なコンディションで持ち歩けば、お出かけが楽しくなること間違いありませんね。
高級レザーで作られたピコタンは使い続けることで味が出ます。革が成長していくようで、レザー製品は使うたびにわくわくしますよね。長く使って革の成長を楽しむためにも、適切な保管は大切といえます。
長く使いたくなる、かわいらしさも上品さも兼ね揃えたピコタンですが、時には手放すことを考える時も来るかもしれませんね。
ピコタンよりも「お気に入りのバッグが見つかった」、「環境が変わって使用する機会がなくなった」など、誰にでも起こりうることでしょう。
例えば、子供ができて急激に荷物が増えると、大きなリュックが必要になることもあります。
一時的に保管してみたけれど、結局売却することになることも珍しくはありません。
適切な保管の2つ目のメリットは、売却に関することです。
ほとんどの商品は、美品であればある程高く売れる可能性が上がります。
ピコタンでも同様です。
一時的に保管していたものの、環境が悪くバッグが痛んでしまった場合、査定額が下がってしまう原因に直結します。
特にピコタンのような中古市場でも高額取引の対象となるバッグは、何万円も損をすることが考えられます。
最後に適切な保管のメリットをまとめておきます。
- キレイな状態で持ち歩ける
- 売却時に損をしない
以上のメリットがあるので、適切に保管することは重要といえます。
長期間の保管なら売却も視野に入れてみては?
長期間保管するのであれば、査定に出すことをおすすめします。
理由は2つあります。
- 保管にはリスクがある
- 時間とともに価値が下がる
1つ目の理由は、「使うのも気が引ける」、「売却するにも価値が下がってしまった」そんな悲しい状況を避けるためです。
保管のポイントは上で解説した通りです。しかし、長期間保管している場合どこかで換気をすることを忘れる事もあるでしょう。
最初は丁寧に換気をしたり、ピコタンの状態を確認していても、日がたつにつれ忘れやすくなるというのは誰にでもありえること。ダイエットのためにランニングを始めたはずなのに、雨降りが続いたタイミングでやめてしまったというような経験は多くの方が経験しているはず。
長期保管では、ランニング同様に習慣が途切れると、換気不十分などの理由でピコタンにダメージがいく原因になってしまうのです。
2つ目の理由は、ピコタンの価値は時間とともに下がるためです。
中古市場では、新しいピコタンが高価買取される傾向にあります。どんなに丁寧に保管しても、年々価値は下がります。
例えば、今年発売のピコタンと5年前の物を売却すると、20万円程度差が出ると言われています。状態によってはさらに差が開く事も考えられますね。
本当に使う機会があるのなら、大切に保管しておいても良いかもしれません。しかし、いつ使うか分からないピコタンを、クローゼットでただ寝かせておくのは「もったいない」と言わざるを得ません。
時間はピコタンの価値をさげるだけではなく、劣化の原因にもなるからです。
頑張って長期保管するよりも、使う予定がなくなったなら査定に出すことが、大切なピコタンにとっても、金銭面的に考えても良いのではないでしょうか。
【エルメス】ピコタンの保管方法とは?気を付けるポイントと対策!!:まとめ
上質なエルメスレザーで作られたピコタンは大変デリケートな存在です。
湿気などの目に見えない存在で、型崩れやカビ、変色などのトラブルが起きてしまいます。
- あんこ(詰め物)の使用
- 乾燥材の使用
- 不織布袋の使用
3つのアイテムを駆使したうえで、
- 通気性を保ち
- 直射日光の当たらない
- ピコタンに接触する物がない
上記のような環境で保管することが望ましいです。
「手のかかる子ほどかわいい」などとよく言いますが、ピコタンはまさに保管するには手のかかる子です。ピコタンは正しい保管でキレイに使って可愛がってくださいね。
「かわいい子には旅をさせろ」とも言います。ピコタンを長期間クローゼットで可愛がるのなら、旅という名の売却を検討するのも良いかもしれません。
売却でお悩みなら、以下の記事が参考になります。ぜひチェックしてくださいね。