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【燃費最高!】ゲレンデヴァーゲンのディーゼルに忍び寄る危機とは?

ゲレンデヴァーゲンのディーゼル車は燃費がいいって聞いたのですが、本当ですか。

そんな疑問にお答えします。

NATO軍正式採用車を民生用にアレンジした本格4WDのゲレンデヴァーゲン。

ゲレンデヴァーゲンの車種の中で、ガソリン車とディーゼル車の2モデルがあり、ディーゼル車の方が燃費がいい」ということは、知っていましたか。

お恥ずかしい話、私は「ゲレンデヴァーゲンにガソリン車とディーゼル車の2モデルある」ことも、「ディーゼル車の方が燃費が良い」ことも知りませんでした。

知らないことで、恥ずかしい思いもしました。

私みたいに恥ずかしい思いをする人を1人でも無くすために、燃費がいいゲレンデバーゲンのディーゼル車について紹介していきます。

この記事を読んでいけば

  • ゲレンデヴァーゲンのディーゼル車の燃費
  • ライバル社のディーゼル車の燃費
  • ディーゼル車がある理由と、ディーゼル車のメリット・デメリット
  • ディーゼル車の未来

が、わかります。

出来る限りわかりやすく紹介しています。

身構えずに、気楽な気持ちで読み進めて下さい。

 

「ゲレンデヴァー ゲン」ディーゼル車は2機種だけ

ゲレンデバーゲンのディーゼル車は、2車種しかありません。

オーソドックスなG350dと、アレンジ満載のG400dだけです。

G350dとG400dについて、詳しく見ていきましょう。

オードソックスなG350d

 

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日本で発売されているゲレンデヴァーゲンの中で、一番人気がある車種がG350dになります。

直列6気筒のターボエンジンを搭載し、3,000㏄に迫る排気量で力強い走り。

悪路でも気にせず進み、コーナリング走行時は、全高2m近いクロスカントリー型4WDとは思えないほどの安定性です。

G350dの燃費は、WLTCモードで9.9Km/L。

サイズと車両重量を考えると、それほど悪くない数字です。

安全機能としてG350d は、

車間距離を保持する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」

車線変更時の安全性を高める「ブラインドスポットアシスト」

車線逸脱を防止する「アクティブレーンキーピングアシスト」

広い範囲を明るく照射する「マルチビームLEDヘッドライト」

ドライバーの注意力低下を警告する「アテンションアシスト」

を装備しており、街中でも安心して乗ることができます。

G350dのSPEC

車体寸法 4,660mm×1,930mm×1,975mm 
車両重量 2,460㎏
駆動方式 フルタイム4WD
使用燃料 軽油
燃費(WLTCモード) 9.9km/L

アレンジ満載のG400d

出典:Instagram

G400dは、G350dも搭載しているOM656ユニットを搭載しています。

ですが、ソフトウェアとドライブトレインの調整で、G350dと比べ最高出力44ps、最大トルクが100N・m高められました。

機能面はG350dに準じていますが、ボディーカラーは22色と豊富。

幅広い内装色と特別感を高める装備が可能な「G manufaktur(Gマヌファクトゥーア)プログラム」対象車種になっています。

G manufakturプログラムとは

自分だけのオリジナルの一台を仕立てるために用意された、Gクラス専用完全受注生産オプションです。

選び抜かれたマテリアルと最高レベルのクラフトマンシップによって、細部までこだわって繊細に仕上げられるインテリアです。

G400d用の同プログラムとして、6色から選択可能なナッパレザーシートが用意されています。

その内訳は、

シートベンチレーター(前席)

シートヒータープラス(前席)

電動ランバーサポート(前席)

ドライビングダイナミックシート(前席)

レザーダッシュボード

です。

なお、ハンドル位置はG350 dが右のみであるのに対して、G400 dは左右から選べるようになりました。

G400dのSPEC

車体寸法 4,660mm×1,931mm×1,975mm 
車両重量 2,490㎏
駆動方式 フルタイム4WD
使用燃料 軽油
燃費(WLTCモード) 9.7km/L

ガソリンモデルG500の燃費は?

出典:Instagram

G500は、ゲレンデヴァーゲンの中で唯一のガソリン車。

しかも、無鉛プレミアムガソリン、つまりハイオクガソリン車なのです。

G400dと同様、「G manufakturプログラム」が選択できますが、G500は左ハンドルのみ。

上位グレード限定のボディーカラーを展開し、奇抜だと思われるレッド系のカラーデザインは、視覚的にも特別な空間へ誘(いざな)ってくれます。

パワートレインを強化した走りは、どんな悪路だってへっちゃら。

でも、過ごしやすい車内環境への配慮は忘れていません。

G500のSPEC

車体寸法 4,660mm×1,930mm×1,975mm 
車両重量 2,450㎏
駆動方式 フルタイム4WD
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
燃費(WLTCモード) 7.4km/L

Gクラスの燃費を比べてみると

ガソリン車G500とディーゼル車G350d・G400dの燃費を分かりやすくするために、一覧表にまとめてみました。

モデル G350d G400d G500
車体寸法 4,660mm×1,930mm×1,975mm  4,660mm×1,931mm×1,975mm  4,660mm×1,930mm×1,975mm 
車両重量 2,460㎏ 2,490㎏ 2,450㎏
駆動方式 フルタイム4WD フルタイム4WD フルタイム4WD
使用燃料 軽油 軽油 無鉛プレミアムガソリン
燃費(WLTCモード) 9.9km/L 9.7km/L 7.4km/L

比べてみると一目瞭然。

ディーゼル車の方が、燃費が良い事が分かります。

こんなに燃費に差がでるとは、思ってもいませんでした。

燃費だけで考えると、ディーゼル車もいいですね。

 

「ライバル車の燃費は?」ゲレンデヴァー ゲンと比較

ゲレンデヴァーゲンは、ガソリン車よりディーゼル車の方が燃費がいいことは分かりました。

でも、他のメーカーのディーゼル車と比べてみないと、燃費は良いのか、それとも悪いのか、分かりません。

ライバル車と比較して、判断していきましょう。

ランドクルーザー

 

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ランドクルーザーのディーゼル車には、3.3リッター V6ツインターボディーゼルエンジンを搭載しています。

ピストン燃焼室、吸気ポート、インジェクタといったエンジン各部の構造を最適化し、227kW(309ps)の最高出力と、700N・mの最大トルクを発生させることができました。

ランドクルーザーの機能面は、ゲレンデヴァーゲンに見劣りしませんが、内装面はやや劣ります

それはそのはず。

ランドクルーザーは内装より、機能面に力を入れているからです。

ランドクルーザーのSPEC

車体寸法 4,950mm×1,970mm×1,870mm 
車両重量 2,690㎏
駆動方式 フルタイム4WD
使用燃料 軽油
燃費(WLTCモード) 9.7km/L

ランクルプラド

 

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ランクルプラドは、日本国内では初採用となる、本格SUVに対応できるパワフルな動力性能を備えました。

そして、2.8Lクリーンディーゼルエンジンを搭載しています。

優れた環境性能燃費性能を実現しているのが、特徴です。

タイヤの空転によるスタックや、駆動力不足による失速が起こりやすい路面状況に応じた走行支援を5つも搭載。

選択した支援モードごとにエンジンスロットル特性、アクティブトラクションコントロールのブレーキ油圧を最適に制御しています。

本格4WDならではの悪路を征する歓びと、安全性を最高レベルで実現しました。

ランクルプラドのSPEC

車体寸法 4,825mm×1,885mm×1,850mm 
車両重量 2,320㎏
駆動方式 フルタイム4WD
使用燃料 軽油
燃費(WLTCモード) 11.2km/L

ランドローバー ディスカバリー

 

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ランドローバー ディスカバリーの一番の魅力は、積載能力ではないでしょうか。

2列のシートを使った状態で荷室容量は、なんと1,197リッターもあります。

デイキャンプどころか、本格的なテントも積める大きさです。

いざとなれば、車中泊さえできそうです。

6気筒ディーゼルターボエンジンは、マイルドハイブリット仕様。

発進の時はスムーズですが、エンジンの回転数が1,500rpmを超えるころから、パワフルな走りを感じることができます。

その走りは、まるで二輪車に乗っているかのようです。

3Dサラウンドカメラも搭載し、ブラインドスポットアシスト、アダプティブクルーズコントロールなどの運転支援装備も充実しています。

ランドローバー ディスカバリーのSPEC

車体寸法 4,985mm×2,000mm×1,895mm 
車両重量 2,470㎏
駆動方式 フルタイム4WD
使用燃料 軽油
燃費(WLTCモード) 10.4km/L

比較してみると

ゲレンデヴァーゲンとライバル車の燃費が、出そろいました。

これも分かりやすいように、一覧表でまとめてみます。

G350d  G400d ランドクルーザー ランクルプラド ランドローバー ディスカバリー
車体寸法 4,660mm×1,930mm×1,975mm  4,660mm×1,931mm×1,975mm  4,950mm×1,970mm×1,870mm  4,825mm×1,885mm×1,850mm  4,985mm×2,000mm×1,895mm 
車両重量 2,460㎏ 2,490㎏ 2,690㎏ 2,320㎏ 2,470㎏
駆動方式 フルタイム4WD フルタイム4WD フルタイム4WD フルタイム4WD フルタイム4WD
使用燃料 軽油 軽油 軽油 軽油 軽油
燃費(WLTCモード) 9.9km/L 9.7km/L 9.7km/L 11.2km/L 10.4km/L

ゲレンデヴァーゲンのディーゼル車の燃費は、ライバル車と比べてほぼ一緒。

強いて言えば、ランクルプラドの重量が軽い分、燃費が良いです。

燃費はどの車種もほぼ横一線ですが、豊富なカスタマイズ性からゲレンデヴァーゲンが一歩前にでています。

 

「パワーが必要!」ディーゼル車がある理由とは

世の中ガソリン車が主流なのに、クロカン車には、なぜディーゼル車があるのでしょう?

そんな疑問が、頭に浮かんできます。

ディーゼルエンジンの仕組みを理解すれば、きっと疑問が解けるはずです。

ディーゼルエンジンについて、学んでいきましょう。

「スピード」より「パワー」

街乗りも考慮(こうりょ)して設計されているSUV車と違い、クロスカントリー車はあくまでもオフロード走行する車です。

そのため、「スピード」より悪路を乗り越えるための「パワー」が必要になります。

ガソリンエンジンは、高回転域において高トルクを発生させるのに対し、ディーゼルエンジンは低回転域において高トルクを発生させる、という異なる特徴を持っています。

つまり、ディーゼルエンジンは低回転から強いトルクを発生させられるため、スピードが出ていなくても悪路をカンタンに乗り越えることができる優れたエンジンなのです。

燃費の違いは「圧縮比の違い」

なぜ、ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて燃費がいいのでしょう。

それは、エンジンの燃焼構造の違いにあります。

ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも、エンジン内の燃料を燃焼させることは同じです。

ガソリンエンジンでは、プラグの火花により引火させるのに対し、ディーゼルエンジンは燃焼室を高温にし自然発火させます。

ディーゼルエンジンの燃焼室内を高温にするには、高い圧縮比が必要となります。

補足

ガソリンエンジンの圧縮比11以下に対して、ディーゼルエンジンの圧縮比は約倍の20前後かそれ以上です。

この高い圧縮比のおかげで、燃焼する時の燃料を少なくするので燃費が良くなるのです。

ガソリンエンジンもディーゼルエンジンと同じぐらいの圧縮は、出来ないのですか?

残念なことにガソリンエンジンは、ガソリンの性質上高圧縮することはできないのです。

もし、ガソリンエンジンを高圧縮で燃焼したら、不安定な燃焼(ノッキング)を起こしますし、燃焼室を傷めてしまいます。

 

「ディーゼルエンジン」メリット2選

ディーゼルエンジンのメリットは、

  • 燃費がよく、燃料代が安い
  • 加速性がよく、坂道でもパワフルに走行できる

の2つです。

順番に説明していきますね。

燃費がよく、燃料代が安い

先程説明した通り、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ燃費が良いことが挙げられます。

ゲレンデヴァーゲンで比べれば、ガソリンエンジンは7.4㎞/Lに対し、ディーゼルエンジンは9.9㎞/L。

2.5Km/Lの差があります。

燃費以上に燃料代が安いのが、嬉しいポイント。

石油製品小売市況調査によりますと、レギュラーの全国平均価格は168円/L、軽油は148円/L(4月現在)です。

20円/Lの差は大きいです。

もし、100Lはいるタンクに燃料を満タンに入れたら、軽油の方がガソリンに比べ20,000円も安くなります。

ガソリンと軽油の価格の差は、ここでは詳しく述べませんが、主に税金の差です。

ガソリンの税金は53円80銭/Lに対し、軽油の税金は32円10銭/L

税金で21円70銭/L差があり、税金の差が価格に反映されています。

坂道でもパワフルに走行できる

ディーゼルエンジンは熱効率がよく、低回転でも高トルクを出力できるエンジンです。

ガソリンエンジンの場合は、4,000~5,000回転の時に最大トルクを発揮。

それに対し、ディーゼルエンジンは2,000〜2,500回転と、ガソリンエンジンの半分の回転数で最大トルクを発揮できます。

低回転で最大トルクを発揮できるために、坂道や追い越しの時にアクセルを踏み込まなくてもパワフルな走りを期待できるうえ、悪路も平気で走破出来るというわけです。

 

「ディーゼルエンジン」デメリット5選

ディーゼルエンジンのデメリットは、

  • 車体価格が高い
  • メンテナンス費用が高額
  • 燃料が凍結する可能性がある
  • 自動車税が高くなる
  • 法律規制が厳しい

の5つです。

これも順番に説明していきます。

車体価格が高い

ディーゼルエンジンを積んでいる車は、ガソリン車と比べ車体価格が高いです。

車体価格が高い理由は、ディーゼルエンジン特有の高圧縮に耐えられるよう、ガソリン車より強度UPさせ気密性を高めなければいけないためです。

強度UPと気密性を高めることにより、どうしても製造コストが多くかかってしまうのです。

車種によりますが、ガソリン車より車体価格が数十万円高いことは当たり前です。

メンテナンス費用が高額

ディーゼル車はガソリン車に比べ、オイル交換はこまめに行う必要があります。

交換の目安として「走行距離は3,000km~5,000km」「期間は3ヶ月~6ヶ月」のどちらか早い方となります。

なぜ、こんなに頻繁(ひんぱん)にオイル交換が必要かと言うと、高圧縮で燃焼しているためエンジンオイルが汚れやすいからです。

エンジンオイルに汚れがたまるとエンジンのコンディションが悪くなり、放置すると故障につながります。

また、タンク内の「アドブルー」も、エンジンオイルを交換するタイミングと同じタイミングで交換をしなければいけません。

アドブルーとは

排出ガスをキレイにするために必要不可欠な高品位尿素水で、常温で保存できる無色・無臭の液体です。

車種や走行距離によって異なりますが、1,000㎞走ると約1リットル減り、アドブルーが無くなるとエンジンが再始動しないトラブルにあうかもしれません。

ディーゼルエンジンで、メンテナンス費用が特にかかるのはエンジンオイルですが、燃料ポンプやインジェクター、バッテリーなどの交換も必要となります。

燃料が凍結する可能性がある

ディーゼル車の燃料の軽油は、凍ってしまいます。

凍るといっても、「カチン、コチン」に、凍るわけではありません。

軽油に含まれる「ワックス分」が低温になると分離し、「ドロドロとしたシャーベット状」になってしまうのです。

「ドロドロとしたシャーベット状」に凝固してしまうと、燃料フィルターや燃料ラインを詰まらせてしまいます。

軽油の凍結は長時間の停車だけではなく、非降雪地帯から降雪地帯への旅行、ウインタースポーツのため都市部から山間部へ長距離移動した場合に発生しやすいです。

そのため、気温に合わせて性能を変化させた「特1号・1号・2号・3号・特3号」の5種類の軽油が、地域ごとに販売されています。

軽油の凍る温度の目安は、下記の通り。

軽油の種類
特1号 1号 2号 3号 特3号
流動点 +5℃以下 -2.5℃以下 -7.5℃以下 -20℃以下 -30℃以下
セタン指数 50以上 50以上 45以上 45以上 45以上

出典:日本工業規格

流動点とは

原油や石油製品の低温での流動性を示す指標です。

石油は多成分の混合物なので、はっきりした融点を示せません。

そこで、一定の条件で流動しなくなる温度を求め、流動点と称します。

セタン指数とは

ディーゼルエンジン燃料の着火性を示す指標を、数値化したものです。

数値が大きいほど着火性が高く、低いほど着火しにくくなります。

ここで注意しなければいけないのが、暖かい場所から寒い場所へ移動する時です。

例えば、愛知県に住んでいて、長野県にスキーしに出かけたとしましょう。

軽油1号をタンク満タンにして、スキー場へ出かける。

スキーを楽しみ、その夜はホテルで1泊。

スキー場の夜は冷え込み、気温は-5℃以下に。

翌朝、帰路に就くためにエンジンをかけようとするけど、かからない。

こんなトラブルに遭遇するかもしれません。

そうならないためにも、片道分の燃料だけを入れて現地に行き、現地の給油所で燃料を満タンにするようにしましょう。

自動車税が高くなる

ガソリン車よりもディーゼル車の方が、自動車税の負担が増える時期が早いのです。

ガソリン車は新車登録から13年で税率が重くなるのですが、ディーゼル車は新車登録後11年で自動車税が高くなります。

なぜ、ガソリン車よりディーゼル車の方が、早く税金が高くなるのですか?

それは、ガソリン車に比べディーゼル車の方が、車の排出するガスが地球温暖化などに悪影響を与えるとみられているからです。

法律規制が厳しい

クリーンディーゼル車は、今まではエコカー減税に含まれていました。

しかし、令和3年度税制改正(車体課税の延長・見直し)により、クリーンディーゼル車は2023年からエコカー減税の対象から外れることになってしまいました。

なぜ、ディーゼル車はエコカー減税から外れたのですか?

それは、2021年度の税制改正により、エコカー減税の対象となる排出ガスと燃費の基準がより厳格化されたためです。

従来より4割ほど厳しくなり今まで別枠だったクリーンディーゼル車も、ガソリン車と同じ区分になりました。

世の中、環境の面でEV化へ舵を切っています。

環境規準に対応できないディーゼル車は、近い将来姿を消すかもしれません。

 

「ゲレンデヴァーゲンも例外ではない」ディーゼルの今後の展望とは?

電気自動車が普及し始めている昨今、ガソリン車より燃費がいいディーゼル車は、今後どのような方向に舵を切っていくのでしょうか。

廃(すた)れていってしまうのかもしれません。

新技術の開発により、息を吹き返すのかもしれません。

ディーゼル車の今後の展望を、見ていきましょう。

環境に悪いイメージのディーゼル車

皆さんは、こんな疑問を持ったことはありませんか。

「なぜ、ディーゼル車はガソリン車より扱っている車種が少ない」のかと。

それは、一昔前までディーゼル車は、黒い黒煙をまき散らし走行していたからです。

黒いススは空気を汚し、街も汚し、人間にも健康被害をもたらしていました。

ガソリン車に比べ二酸化炭素の排出が少なく優れているエンジンだと思われていたディーゼル車ですが、健康被害をもたらすNOx(窒素酸化物)やPM(粒子物質)をまき散らしていたのです。

環境講座

NOxは、NO(一酸化窒素)やNO2(二酸化窒素)などをさし、大気汚染物質です。

NOxは、酸性雨や光化学スモッグの原因になり、喘息などの人間の呼吸器へ悪影響を与えます。

PMとは、吸気中に漂う小さな粒子のことで、PM2.5などが騒(さわ)がれています。

ディーゼル車が排出するPM粒子は、ディーゼル排気粒子と言われ、気管支喘息や花粉症を引き起こすだけではなく、発がん性物質でもあるのです。

日本では、渋滞が非常に多くNOxの排出量が増え、人間に与える環境被害が大きくなるために、悪い車として厳しく規制されてしまいました。

自動車メーカーが直ぐに対応できるような規制ではなかったため、日本からディーゼル車が段々と姿を消していったのです。

日本でディーゼル車をあまり見かけなくなったのは、このような背景があったからなのですね。

でも、技術の進歩で「地球にやさしい」ディーゼルエンジン、クリーンディーゼルエンジンが開発され、徐々にではありますがディーゼル車も増えていっています。

「みんなが勘違いをしている」実は環境にいいディーゼル車

「ディーゼル車=環境に悪い。」というイメージは過去の話。

先程も少し述べましたが、クリーンディーゼルエンジンの開発のおかげで、「地球にやさしい車」に生まれ変わったのです。

その証拠に、下記の表をみて下さい。

出典: 環境展望台「環境技術解説:自動車排出ガス対策」

NOxやPMの削減率を示した表になるのですが、段階的ではありますが徐々に減ってきています。

調査開始の1974年に比べ2009年では、NOxは95%・PMに至っては99%削減に成功しました。

時間が進むにつれ技術も進歩し、今ではクリーンディーゼル車は、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)、燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)などと肩を並べ、次世代自動車の一つになっています。

さらに、地球にやさしい車を目指し、ディーゼル車の燃料(軽油)を化石燃料からバイオマス燃料にしようという研究がなされています。

バイオマス燃料とは

日本で食品工場から回収される廃食用油などで、欧州では主に菜種油、米国やブラジルでは主に大豆油から生成されています。

バイオディーゼルは燃焼することで CO₂を排出しますが、燃料に含まれる炭素は、もともと植物が光合成をして吸収したもの。

そのため、全体としてみれば大気中の CO₂は増加せず、プラマイゼロとなるのです。

ですが、バイオマス燃料は、使用できる原料の制約が大きい、長期保管が出来ないなど課題が山積み。

NOxやPMが削減できたように、時間をかければ必ず課題をクリアできるはずです。

ディーゼル車販売禁止‼

脱炭素社会(カーボンニュートラル)の第1歩として、ガソリン車やディーゼル車の新車販売禁止を予定しています。

例えば、ノルウェーでは、2025年から。

EUでは、2035年からと言ったように。

では、我々が住んでいる日本はどうでしょうか。

経済産業省から発表されています2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略にはこう書かれています。

遅くとも2030年代半ばまでに、乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じる。

出典:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

具体的な数字は示していませんが、2035年ごろまでにはガソリン車・ディーゼル車の新車販売が禁止になるでしょう。

そして、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略には、こうも書かれています。

2050 年に自動車の生産、利用、廃棄を通じた CO₂ゼロを目指す。

出典:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

ガソリン車やディーゼル車は、燃料を燃やして走る車。

燃料を燃やす限り、必ず CO₂(二酸化炭素)を排出します。

これは、物理上どうすることもできないことです。

よって、2050年ごろにはガソリン車・ディーゼル車はこの地球から姿を消し、過去の遺産となってしまうでしょう。

とても、寂しいことです。

下の記事は、車の排ガスについて詳しく書いています。

興味がある方は合わせて読んでみて下さい。

 

【燃費最高!】ゲレンデヴァーゲンのディーゼルに忍び寄る危機とは?:まとめ

まとめとしまして

  • 「ゲレンデヴァー ゲン」ディーゼル車は2機種だけ
  • 「ライバル車の燃費は?」ゲレンデヴァー ゲンと比較
  • 「パワーが必要!」ディーゼル車がある理由とは
  • 「ディーゼルエンジン」メリット2選
  • 「ディーゼルエンジン」デメリット5選
  • 「ゲレンデヴァーゲンも例外ではない」ディーゼルの今後の展望とは?

を紹介してきました。

ゲレンデヴァーゲンは、ガソリン車よりディーゼル車の方が燃費が良いことが分かりました。

でも、燃費だけでゲレンデヴァーゲンのディーゼル車を選ぶとイタイ目に合うかもしれません。

自分のライフスタイルにあわせ、しっかり吟味し、ガソリン車orディーゼル車を選ぶようにしましょう。

 

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