そんな疑問にお答えします。
ドイツを代表する車メーカー、メルセデス・ベンツ。
メルセデス・ベンツが取り扱っている車種の中でも、ひときわ異彩を放つ車種があります。
その車種の名は、「ゲレンデヴァーゲン」。
誕生から40年以上たっても、高級クロカン車として愛され続けています。
40年間愛される理由は、ゲレンデヴァーゲンには人を引き付ける不思議な魅力(みりょく)があるからに違いありません。
そこで今回は、ゲレンデヴァーゲンの魅力を紹介していきます。
この記事を読み進めていけば
- ゲレンデヴァーゲンの魅力
- ゲレンデヴァーゲンの歴史
を、知ることができます。
最後には、ライバル車と比較をしてあります。
ライバル社と比較して、ゲレンデヴァーゲンの魅力を再確認してみて下さい。
目次
ゲレンデヴァーゲンの4つの魅力
ゲレンデヴァーゲンの魅力は、大きく分けて4つ。
- 40年前と変わらないボディーデザイン
- 街中でも乗れる走行性能
- 豊富なバリエーション
- ステータス性の高さ
と、なります。
1つ1つ詳しく解説していきますね。
40年前と変わらないボディーデザイン
ゲレンデヴァーゲンは誕生当初から長年、大きくデザインが変更されていません。
- 無骨な四角いボディー
- 丸いヘッドライト
- 直角に近いほど立っているフロントガラス
どれをとっても、ほぼ40年前の姿のままです。
中身や装備、安全性能は年々格段と進歩しているにも関わらず、インテリアとエンジンを除く基本的部分については、当初から設計は変わっていません。
それだけ「優れたスタイリング」と、いうことなのです。
2021年にはゲレンデヴァーゲンのEV版「EQG]を公開していますが、その姿を見れば誰しもがゲレンデヴァーゲンとわかるもの。
公開されたのはあくまでもコンセプトカーですが、このままの姿で行くことは、ほぼ間違いないようです。
エンジンからモーターへ変わっても、ゲレンデヴァーゲンの外観は変わらず、40年前の姿を楽しめそうですね。
EQGの紹介動画です。
コミカルな紹介動画で私好みですが、EQGの外観は近未来的なゲレンデヴァーゲンでした。
出典:YouTube
街中でも乗れる走行性能
約40年前と変わらないと言っても、それは外観だけ。
テクノロジーの面から見れば、最新機能が搭載されています。
開発当初から搭載されているデフロック機能(差動装置を固定(直結)するしくみ)を使えば、オフロードでも走行可能です。
現代の実用的なシーンに必要なバックモニターやパーキングセンサーも搭載しており、街中でも安心して走ることができます。
街中で走れるように環境の面にも配慮し、350dモデルはエコカー減税対象のグリーンディーゼル車です。
メルセデス・ベンツ社がゲレンデヴァーゲンを宣伝している動画です。
オフロードでも街中でも走れるということをアピールしたいと思うのですが、「ちょっと極端しすぎない。」と突っ込みを入れたくなるような動画です。
出典:YouTube
豊富なバリエーション
約40年の間、様々な改良が施されてきて、年式によって仕様も様々。
多岐にわたるグレードや、特別仕様車なども排出されてきました。
日本では人気のグレード、350d(ディーゼルモデル)。
直列6気筒のターボエンジンを搭載し、排気量はモンスター級の3,000ccです。
標準で装備されている先進安全装備は、
- 車間距離を保持する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」
- 車線変更時の安全性を高める「ブラインドスポットアシスト」
- 車線逸脱を防止する「アクティブレーンキーピングアシスト」
- 広い範囲を明るく照射する「マルチビームLEDヘッドライト」
- ドライバーの注意力低下を警告する「アテンションアシスト」
となり、街中でも安心に走れるよう気が利いた設備です。
街中を走るクルマと思いきや、フルタイム4WDで、悪路路でも強い走破性を持ち合わせています。
350dよりワンランク上のG550は、350dよりエンジンの性能を高め、優れた最新技術を搭載しています。
燃料も他のモデルと違い、無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)とガソリン車のみ。
シートベルトの色を変えられる等、内装を好みの仕様に仕上げる「G manufaktur(Gマヌファクトゥーア)プログラム」が選択でき、より個性を求めることができます。
限定のボディーカラーも用意されていて、クロカン車では珍しいレッド系の奇抜なカラーデザインは、視覚的にも特別な空間を体感できるでしょう。
過ごしやすいように車内環境を配慮しつつ、複数の情報をひとつの画面で確認できるシステムも搭載しているのも魅力の1つです。
ステータス性の高さ
軍用オフローダーとしてスタートしたのに、ステータス性が高い「高級車」というイメージが定着し始めたのは、いつ頃からでしょうか。
木村拓哉、二宮和也、明石家さんまにタモリ。
海外ではブラットピットやブリトニースピアーズが、ゲレンデヴァーゲンを愛車として使用しています。
人気が人気を呼び、世界中で多くの著名人やセレブが愛車として使用していることで知られるようになりました。
ゲレンデヴァーゲンのインテリアは、Newモデルほど豪華さを増し、シートにも豪華なステッチが施されているモデルまであります。
四角いボディーの圧倒的存在感。
ステータスをアップさせる内装。
どこかクセがあるところが、ゲレンデヴァーゲンの魅力なのでしょう。
ゲレンデヴァーゲンの内装を解説した動画です。
外観と裏腹に内装には、最先端の技術が詰め込まれています。
出典:YouTube
「軍用車は間違い?」ゲレンデヴァーゲンの歴史
ゲレンデヴァーゲンの魅力を深めるためには、ゲレンデヴァーゲンの歴史を紐解かなくてはいけません。
歴史を紐解いていくと、知られざる真実が明らかになっていきます。
早速、ゲレンデヴァーゲンの歴史を紐解いていきましょう。
スタートは、究極のクロスカントリー車を作ること
ゲレンデヴァーゲンの歴史は、今から50年前の1973年から始まります。
ドイツのダイムラー・ベンツ社とオーストラリアのシュタイン・ダイムラー・プフ社が、軽量な個人向けのオフローダーの共同開発を目的として協定を結びました。
「軍用車由来の」とよく紹介されていますが、実は「民間向けのモデル」だったのです。
オフローダーの開発を開始する2社は、様々なコンセプトを話し合います。
幾度となく話し合った結果、たどり着いた答えは「地球上のあらゆる環境に対応できる究極のクロスカントリー車を作る」ということです。
高い悪路走破性を備えるのは当たり前。
頑丈なラダーフレーム、修復しやすいシンプルな構造とエクステリア(外観)デザインを採用することにより、ゲレンデヴァーゲンの基本形が完成するのでした。
始めの注文は軍隊から
究極のクロスカントリー車の開発が進むにつれて、量産の話が舞い込んできます。
当初の目論見(もくろみ)とは裏腹に、最初に関心を持ったのは各国の軍事関係者でした。
当時ダイムラー・ベンツ社の大株主であったイラン軍は、2万台も発注します。
しかし、この2万台はイラン革命で発注は無くなってしまいましたが、西ドイツ警察やアルゼンチン軍、ノルウェー軍から発注を受けています。
イラン革命とは
1979年、シーア派宗教指導者ホメイニも率いられたイスラーム原理主義勢力が、イランのパフレヴィー朝を倒し、政権を奪取、イスラーム教国家を出現させた変革のことです。
イラン革命の影響で石油の産出量が激減し、第二次石油危機(オイル・ショック)が起こりました。
このような背景が独り歩きし、「ゲレンデヴァーゲンは軍用車由来」というエピソードが広まっていくのでした。
しかし、です。
軍用向け開発が行われていなかったと言え、各国の軍隊で採用されたことは「性能は確かなもの」と、お墨付きを頂いたと言えるでしょう。
「ゲレンデヴァーゲン」から「G」へ
ダイムラー・ベンツ社とシュタイン・ダイムラー・プフ社が共同開発をして数年の月日が経ち、1台の車を完成させます。
その車は「Typ-461ゲレンデヴァーゲン」と名付けられ正式配備を目指し、NATOのコンペに挑みます。
コンペの結果、フォルクスワーゲン/アウディが提案した「Typ-183イルティス」に敗北。
その後、1982年からようやく正式採用を勝ち取るのでした。
当初は軍用バージョンのみでしたが、のちに民生モデルとしてW460系がプフブランドから生産・販売を開始されます。
さらにはそのメルセデス版としてW460系「230G」が今から32年前、1979年春のジュネーヴ・ショーにて正式デビューします。
正式デビューする際に、親しみやすいように「ゲレンデヴァーゲン(Geländewagen)」の頭文字をとって「Gクラス」と名付けらました。
車名がゲレンデヴァーゲンからGクラスへと変更されたのは、1994年の2代目モデルから。
「〇クラス」という名称に統一し、「500GE」から「G500」のようにグレード名とアルファベットと数字の順番を入れ替えたのも1994年からです。
ゲレンデヴァーゲンの歴史をまとめた動画です。
この動画を見ると、ゲレンデヴァーゲンのコンセプト「地球上のあらゆる環境に対応できる究極のクロスカントリー車」ということが、ひしひしと伝わってきます。
出典:YouTube
「ヘビー級対決!」ゲレンデヴァーゲンVSクロカン車
ゲレンデヴァーゲンの魅力を再確認するため、ヘビー級のクロカン車と比較してみましょう。
ボディーのサイズ・エンジンの形式など、細かいところまで比べてみて下さい。
比べれば比べるほど、ゲレンデヴァーゲンの魅力が「ひしひし」と伝わってきます。
ランドクルーザー
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日本の自動車メーカーで、ゲレンデヴァーゲンと比べることができるのは、ランドクルーザーかレクサスLXでしょう。
高級感ではレクサスLXに勝るものはありませんが、今回はクロカン車です。
クロカン車と言えば、ランドクルーザーの右に出るクルマはありません。
雪道・ぬかるんだ道など、どんな道でも走れる走破性。
疲れにくさを重視して作られた内装など、基本性は極めて高いです。
名前の通り「陸の巡洋艦」というだけはあります。
ゲレンデヴァーゲンとランドクルーザーのスペックを並べた表です。
ゲレンデヴァーゲンの方が大きいと思っていましたが、ランドクルーザーの方が大きいのですね。
ゲレンデヴァーゲン(G550) | ラウンドクルーザー(VX) | |
エンジンの種類 | DOHC V型8気筒 | V型6気筒DOHC |
過給機 | ツインターボ | ツインターボ |
総排気量 | 3,982cc | 3,444㏄ |
最高出力 | 422PS | 415ps |
燃料タンク容量 | 100L | 80L |
最大トルク/回転数 | 610N・m/2,000~4,750rpm | 650N・m/3,600rpm |
駆動方式 | 4WD | 4WD |
ミッション | 9AT | 10AT |
最小回転半径 | 6.3m | 5.9m |
全長×全幅×全高 | 4.66m×1.93m×1.975m | 4.95m×1.98m×1.93m |
車両重量 | 2,490㎏ | 2,635㎏ |
最低地上高 | 0.46m | 0.23m |
ジープラングラー
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コスパを重視すれば、ジープラングラーが群を抜いています。
500万円からと、どのクロカン車に比べてもリーズナブル。
2Lのターボと、伝統的な3.6LV6エンジンも選べるところが嬉しいポイントです。
作りは質実剛健という言葉にふさわしく、伝統を重んじたデザインですが装備は充実し不満はありません。
メカメカしいデザインが、クルマ好きの心をくすぐります。
何より全仕様が着脱ルーフとなり、冒険心を高ぶらせてくれます。
さぞ暴れん坊将軍かとおもいきや、従順(じゅうじゅん)な一面もあるところが可愛らしく、運転もしやすいクロカン車です。
ゲレンデヴァーゲンとラングラーのスペックを比べた表です。
ゲレンデヴァーゲンと比べてみるとラングラーのスペックは、見劣りしてしまいます。
ゲレンデヴァーゲン(G550) | ラングラー(ルビコン) | |
エンジンの種類 | DOHC V型8気筒 | DOHC V型6気筒 |
過給機 | ツインターボ | なし |
総排気量 | 3,982cc | 3,604cc |
最高出力 | 422PS | 284PS |
燃料タンク容量 | 100L | 66L |
最大トルク/回転数 | 610N・m/2,000~4,750rpm | 347N・m/4,100rpm |
駆動方式 | 4WD | パートタイム4WD |
ミッション | 9AT | 8AT |
最小回転半径 | 6.3m | 5.3m |
全長×全幅×全高 | 4.66m×1.93m×1.975m | 4.32m×1.895m×1.84m |
車両重量 | 2,490㎏ | 1,920㎏ |
最低地上高 | 0.46m | 0.283m |
ランドローバーディフェンダー
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復活を果たしたランドローバーディフェンダーも、侮(あなど)れません。
悪路走破性などはオリジナルの伝統を引き継ぎ、モノコックボディによる快適な走りを実現しました。
生粋(きっすい)のクロカン車でありながら、高速走行も得意とする、オールマイティーな車と言っても過言ではありません。
サイズは大きいが、愛嬌(あいきょう)のあるスタイルで、街中を走っても違和感がありません。
内装は、デジタル機能をおさえつつ、質実剛健なつくりとなっています。
ゲレンデヴァーゲンとランドローバーディフェンダーのスペックを比べた表です。
ラングラーと同様ゲレンデヴァーゲンと比べると、ランドローバーディフェンダーのスペックは見劣りしてしまいます。
それだけゲレンデヴァーゲンのスペックが、凄すぎるということです。
ゲレンデヴァーゲン(G550) | ランドローバーディフェンダー(110S D300) | |
エンジンの種類 | DOHC V型8気筒 | DOHC 直列6気筒+モーター |
過給機 | ツインターボ | ターボ |
総排気量 | 3,982cc | 2,993cc |
最高出力 | 422PS | 300PS |
燃料タンク容量 | 100L | 85L |
最大トルク/回転数 | 610N・m/2,000~4,750rpm | 650N・m/1,500~2,500rpm |
駆動方式 | 4WD | 4WD |
ミッション | 9AT | 8AT |
最小回転半径 | 6.3m | 6.1m |
全長×全幅×全高 | 4.66m×1.93m×1.975m | 4.945m×1.995m×1.97m |
車両重量 | 2,490㎏ | 2,400kg |
最低地上高 | 0.46m | 0.228m |
ライバル車と比べてみると、高級車、クロカン、SUVの3要素全て揃(そろ)ったのは、ゲレンデヴァーゲンだけでした。
まさに、クロカン界の王者というべき存在です。
【ゲレンデヴァー ゲンの魅力は〇〇】人々を魅了し続ける理由とは?:まとめ
まとめとしまして
- ゲレンデヴァーゲンの4つの魅力
- 「軍用車は間違い?」ゲレンデヴァーゲンの歴史
- 「ヘビー級対決!」ゲレンデヴァーゲンVSクロカン車
をご紹介してきました。
ゲレンデヴァーゲンは、高級車、クロカン、スポーティーと3拍子揃った車で、クロカン界の王者だとわかりました。
その魅力でライバル車の追随(ついずい)を許さない、唯一無二のクルマです。
オフロードでもオンロードでもいいので、いつかは乗っておきたい魅力のたっぷりの一台です。
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