その疑問にお答えします。
ランクルはどのモデルも高いリセール価値が期待できる車です。
現行のプラドや300系はもちろんのこと、モデルチェンジ前の200系においても未だに高リセールを維持しています。
また、70系の人気は根強く、台数限定で復刻版も販売されたほどです。
その結果としてリセール価値も高く、新車購入時以上の価格が付くものもあります。
"リセール"とは再販のことを指し、"リセール価値"や"リセールバリュー"という言葉で、車が持つ再販時の価値を示します。
新車を購入し使用した後に、その車がどれだけの価値を保持しているかを表す数値で、"残価率"として表現されます。
例えば、300万円で購入した車が使用後に150万円で売れたら、その車の残価率は50%ということになります。
計算式は以下の通りです。
残価率の計算式
残価率=買取価格/新車価格(%)。
ランクルにおいて特徴的なことは、5年以内であれば残価率が高いという点です。
ランクルは5年以内で売却すれば、残価率100%を超える価格で売却できる可能性があるということです。
しかし、5年を経過すると、急激に残価率も下がってしまいます。
このことが、ランクルを5年以内に売却することがオススメされる理由です。
この記事では、以下の項目を詳しく解説しています。
- ランクルのリセール価値が高い理由
- 5年経過後にリセール価値が下がる理由
- リセール価値を下げる要素
- リセール価値を高めるオプション
リセール価値を意識して新車を購入すると、将来的に見ると実質的な購入費用が低くなるというメリットがあります。
これは、賢くお得に車を手に入れるための重要なポイントとなっています。
目次
ランクルのリセール価値
ランクルのリセール価値は非常に高く、転売のターゲットになることも珍しくありません。
これを防ぐためランクル300系の購入の際には、購入後1年間ディーラー名義にする契約が時折交わされます。
このように、トヨタ自身も転売対策を進めています。
では、ランクルの高いリセール価値はどこから生まれてくるのでしょうか?
マーケットの広さ
ランクルのリセール価値が高い理由の一つとして、広範な海外市場にあります。
国内でも確かに人気のある車種ですが、海外においても人気は非常に高いです。
さらに、関税の影響もあり新車よりも中古車に人気が集中しています。
マレーシアやパキスタンなど、特に売れ筋の地域が存在しています。
中古車の高騰
2022年は、中古車バブルが起きていたと言われています。
その背後には、半導体の不足による新車の生産量減少や、ウクライナ戦争によるロシアの中古車需要などが影響しています。
新車供給量の減少と社会情勢が重なり、ランクルのリセール価値を一時的に高騰させました。
現在はバブルが収束し、一時的な高値取引も落ち着いています。
しかし、新車供給がまだ追いついていない現状とランクルプラドの高い人気が相まって、中古車価格は引き続き高い水準にあります。
世界中で人気のSUV車
世界中でSUV車は人気があります。
特に発展途上国では舗装されていない道路が多く存在し、悪路に強いSUVの需要が高まっているのです。
ランクルは日本を代表するSUVであり、高級車という特性から海外の富裕層からの人気が高いです。
これがリセール価値の高さにも寄与しています。
この投稿をInstagramで見る
トヨタブランドと性能
トヨタは世界的に頑丈で故障しにくいというイメージが強く、これが海外からの需要を増やしています。
特に海外では、長期間修理しながら車を使用するという考え方が一般的です。
日本で10万kmを超えると廃車にする傾向があるのに対し、海外では20万km走行することも珍しくありません。
そのため、トヨタ車の頑丈さは非常に評価され人気となっています。
ランクル5年経過でどうなる?
自動車の輸出に関しては、関税の影響は大きいです。
各国によっては、新車に高額な関税を設けていたり、輸入自体を制限していることもあります。
「ランクルは5年以内に売るのが最適」と言われることが多いのは、こうした各国の輸入ルールによるものが大きいのです。
5年以内は関税が安い
ランクルは世界各国で販売されており、主要な輸出先にはマレーシアやパキスタンがあります。
これらの国では新車登録から1年経つと関税が低減され、5年経つと輸出ができなくなる制度が存在します。
関税が最も低くなるのは、5年目のギリギリのタイミングです。同じ走行距離であれば、ランクルプラドが最も高値で売れるタイミングになっています。
このような特殊な状況は、輸出ルールを知らない人から見れば、不思議に感じるかもしれませんね。
ランクルの新車は高額
この投稿をInstagramで見る
パキスタンでは、ランクルプラドの新車購入には約2,000万円程度の高額な費用が必要とされています。
新車に対して高い関税が課せられ、自動車産業が発展途上であるため、日本と比較して車の価格が高騰しています。
しかし、車の年数が経つと関税が安くなり、車の価値も下がるため、より手が届く価格になります。
5年経過後は輸出できない
マレーシアやパキスタンでは、5年以上経過した自動車の輸出が認められていないというルールが存在します。
そのため、ランクルのリセール価値は5年を過ぎると落ち込む傾向が見られるのです。
しかし、リセール価値が減少するといっても、ランクルは他の車種と比べて依然として優れたリセール価値を維持します。
これは、ランクルの人気と高い品質が背景にあるからです。
「5年経過すると全く売れなくなる」という事態はありませんが、5年目の前後では、マーケットのニーズの変化に伴い、価格には顕著な違いが出てくるでしょう。
したがって、5年目で売却を考えている方は、この事実を念頭に置いた選択をする必要があります。
ランクルのリセール価値が下がる要因
世界中で人気のあるランクルは、リセール価値が高いことで知られています。
しかし、特定の状況下ではその価値が下がることもあるのです。
ここでは、リセール価値が下がる状況について詳しく見ていきましょう。
年式落ち
ほぼ全ての車種に共通することですが、年式が進むとリセール価値は減少します。
まれに、一部の特別な車種では年式が経過することで価値が上昇することもありますが、基本的には価値は減少するものです。
ただし、その減少率は車種によって違い、例えばランクルプラドやランクル200系のような車種は、リセール価値が比較的減少しにくいとされています。
特にランクルプラドの場合、5年間はほぼ100%の残価率を保つことが知られています。
ですが、この価格は市場状況や世界情勢、車のオプションや走行距離などの要素によって変動します。
したがって、全てのランクルが必ずしも5年間で100%の残価率を保つとは限りません。
また、車両の年数が7年を超えると輸入に規制がかかる国が増え、リセール価値が大きく下がる可能性がある点にも注意が必要です。
モデルチェンジ
新しいモデルが登場すると、旧モデルのリセール価値は一般的に下がります。
これは、新しいモデルへの需要が増えるため、旧モデルの需要が低下するからです。
ランクルプラドは近い将来モデルチェンジを予定しており、これがリセール価値に影響を与える可能性があります。
明確な情報はまだトヨタから発表されていませんが、多くのメディアが新モデルの登場を予測しています。
売却を考えているユーザーは、これらの動向を注視する必要があります。
新車生産台数の上昇
2022年は新車の生産台数が減少していたため、中古車のリセール価値が非常に高かった時期です。
この生産台数の減少は、半導体不足による納期の遅延などが原因で「ランクルは2年待ち」と言われるほどでした。
しかし2023年現在、トヨタは国内での新車生産台数を増やすために海外での生産数を抑制しています。
新車の供給が増えると、新車への需要が高まり、それまで中古車に流れていた消費者が新車に移行する可能性が高まります。
結果として、ランクルのリセール価値も下がるかもしれないのです。
いづれにしても、依然として高い水準の中古車市場に揺らぎが生じてくることは避けられないでしょう。
リセール価値を高める輸出仕様とは?
ランクルは世界中で人気があるのはお伝えしてきた通りです。
そのため人気のある輸出仕様を把握することで、高いリセール価値を維持することが可能性が高まります。
リセール価値に影響を与える主な要素として、以下のものが挙げられます。
- エンジンタイプ
- 搭乗者数
- 内外装のカラー
- オプション
これらを考慮した車が「輸出仕様車」と呼ばれ、1〜5年の所有期間であれば一般的に高いリセール価値を持つことができます。
ただし、これらの要素は大体のランクルに当てはまりますが、ここでは特に人気のあるランクルプラドに焦点を当てています。
現行のランクル300系は転売対策が行われているため、売却の実績は限られています。
さらに、何度かの注文停止の影響で生産数も少ないため、海外需要の傾向を追うことは難しいです。
ですが、ランクルプラドの輸出仕様車の傾向を理解することは、ランクルプラドや新モデルのランクル300系の新車購入する際にも有効である可能性があります。
リセール価値を考慮した選択が可能になるかもしれません。
つまり、買った車を将来売却する際に、高い価格で売れる可能性が高まるといえます。
エンジンはガソリン車一択
2023年現在、発展途上国ではガソリン車の人気が非常に高いです。
これは車を長期間保持し、修理しながら使用する文化が強いため、整備のしやすさが重要な要素となるからです。
しかしランクルで採用されているクリーンディーゼルや、他の車種で採用されているハイブリッド車ではニーズに沿うことが難しいのです。
- 適切な整備を行う技術者が少ない
- 部品も容易には手に入らない
以上の理由により、ガソリン車以外では需要が低くなります。
そのため、リセール価値を考慮するのであればガソリン車を選ぶのが最善の選択といえます。
人気のあるサードシート
リセールを意識するならば、ランクルプラドが”5人乗り”か”7人乗り”かというのも重要な選択となります。
これは単に乗車可能人数の違いだけではなく、サードシートの有無にも関連しています。
7人乗りの場合、サードシートを使うか否かはユーザーが自由に選ぶことができます。また、使わない場合には跳ね上げることで荷台スペースを広く取れます。
サードシートの存在により、使用の自由度も高まり、少人数でも広々と座ることが可能になるのです。
結果として、サードシートのある7人乗りの方が、5人乗りよりもリセール価値が高い傾向にあります。
ホワイトパールは鉄板カラー
”ホワイトパールクリスタルシャイン”というカラーはランクルの人気色で、車体色はリセール価値に大きな影響を与えます。
標準カラーではないため有料となりますが、その人気の高さからリセール時にはそのコストを回収できます。
ブラックもまた人気のあるカラーで、これは標準カラーのため追加料金は必要ありません。
内装色については、ベージュが人気となっています。
これは特にマレーシアなどの市場で好まれる傾向となっています。
リセールを考えるのであれば、内装色をベージュにすることも検討してみてはいかがでしょうか。
サンルーフは必須
サンルーフは、特に輸出市場においては必須のオプションとも言えます。
日本国内ではサンルーフの人気は減少傾向にありますが、海外市場、特に中東やアフリカでは依然として高い需要があります。
なぜならば、高級車としてのステータスを示すために、サンルーフの存在は重要とされているからです。
ランクルプラドは、日本国内外ともに高級SUVとしての地位を確立していますが、サンルーフの有無は海外市場での評価に大きく影響します。
一説によると、サンルーフが付いていなければ「高級車ではない」という見方をされることも多いようです。
高級車として売却する以上、そのステータスを保つためにもサンルーフは必須の装備であると言えるのではないでしょうか。
初期投資としては高額なオプションであるサンルーフですが、それ以上のリセール価値を提供します。
特にリセール価値を重視する場合において、サンルーフは必須のオプションなのです。
ランクルプラドのリセールが高いのは5年以内!!そのワケを解説:まとめ
ランクルの5年以内のリセール価値は非常に高く、その主な要因は海外での高い人気と中古車市場への輸出の多さにあります。
新車購入時にリセールを意識することは理にかなっていますが、2023年6月現在、ランクルプラドやランクル300系の新車購入は難しい状況にあります。
ランクル300系の注文停止が解消されたり、ランクルプラドの新型が登場するまで待つしかないという状況です。
ちなみに購入をする際には、転売のためだけの購入は避けるべきです。
ランクル300系では転売対策が取られており、トヨタ側もこのような行為を推奨していません。
特に世界情勢が不安定な時期には、転売防止のための対策がさらに強化される可能性があります。
リセール価値を意識した新車購入は、将来的にお得ですが、それが転売のためだけの購入となると問題があります。
それは、本当にその車を欲しいと思っている人が正規の値段で手に入れる機会を奪ってしまうからです。
リセール価値は重要な要素ではありますが、ランクルの魅力を理解し運転を楽しむことが大切です。
その上で、いつか手放すときに高い価格で売れるとお得感がありますね。