そんな疑問にお答えします。
車の顔とも言えるエンブレム。
かっこいいですよね。わたし自身、高級車を見るたびどこの車かなと、エンブレムを探してしまいます。
イギリスを旅行した時、美しい街中を凛と走る高級車と街中にあるイギリスブランド車の路面店に、何度もうっとりした記憶があります。
その時見たマクラーレン。車体のデザインはもちろんですが、エンブレムから力強さとスピード感を感じられるロゴのかっこよさに震えました。
今回は、そんな「マクラーレンのエンブレムに隠された想い」を、マクラーレンの歴史とともに説明していきます。
そして、イギリス車のエンブレムの面白い共通点も紹介します。
目次
メーカーの魂ともいえるエンブレム
車のエンブレムは自動車作りの情熱や歴史を感じられる、製造メーカーの魂とも言えるもの。
個性的でカッコいいエンブレムや可愛いらしいものまで様々で、車種よりも車のメーカー名のほうが有名なこともあるくらいです。
そんな車のメーカーを象徴するのが「エンブレム」。
どの車のメーカーにもエンブレムがあり、車作りの歴史や理念を表しています。
形もデザインも全てに想いが詰まったエンブレム、じっくり見てみたくなりますよね。
イギリスの高級車のエンブレム
最初に産業革命が起こったイギリスだけあり、伝統ある有名自動車ブランドが多く、世界中の外車ファンから愛され世代を超えて人気があります。
では、イギリスの高級自動車ブランドにはどんなものがあるのか見ていきましょう。
- ASTON MARTIN(アストンマーチン)
- BENTLEY(ベントレー)
- JAGUAR(ジャガー)
- CATERHAM(ケータハム)
- McLAREN(マクラーレン)
- LANDROVER(ランドローバー)
- LOTUS(ロータス)
- MINI(ミニ)
- MORGAN(モーガン)
- ROLLS-ROYCE(ロールス・ロイス)
一度は聞いたことがある名前もあるのではないでしょうか。
イギリス高級車のエンブレムに多い羽根の形
わたし自身、イギリス車の大ファンでいろんな車を見ていた時に気づいたのですが、翼のような形をモチーフにしているエンブレムがたくさんあります。
なぜブランドは違うのに羽根のようなエンブレムが多いのか、各エンブレムの由来を調べてみました。
ベントレー
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第一次大戦時に航空機エンジンを手掛けたウォルター・オーウェン・ベントレーが、創業した自動車メーカーのエンブレム。
翼の図案を選んだという説があります。
アストンマーティン
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現在は世界屈指のハイエンド・スポーティー・ブランドであるアストンマーティン。
創業者のひとりであるライオネル・マーティンと、彼がレーサーとして活躍したアストン・ヒル・クライムから命名されました。
1927年以来使われているこの羽根の形のエンブレムは、エジプトで神格化される甲虫類の一種であるスカラベがモチーフ。
スピードを象徴するウイングバッジは、ベントレーにインスピレーションを受けたという説もあります。
モーガン
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こちらも第一次大戦時の戦闘機乗りであったアルバート・ボール大尉にインスパイアされたという説が有力です。
秒速で飛ぶ戦闘機のように早いイメージですね。
他にも、コウノトリ(Stork)がモチーフとなっていて、コウノトリの羽を表現したデザインしたという説もあります。
ミニ
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現在のMINIというロゴが使用されるようになったのは親会社がBLMC(ブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレーション)と名前が変わった1969年から。
その後ローバーへ移り、ロゴに翼がつくようになりました。
この翼は、ミニの活力のシンボルとして用いられたものとされています。
マクラーレン
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マクラーレンのエンブレムは他のブランドのような「翼」ではないですが、創業者であるブルース・マクラーレンの故郷であるニュージーランドの国鳥、キウイを図案化したロゴです。
羽根のロゴにはスピードを象徴するイメージがあり高級車にはぴったりだと感じるのですが、マクラーレンのエンブレムの「翼のようなロゴ」は他社とはまた違った、深い意味がありそうですね。
マクラーレンのエンブレムの由来について深掘りしていく前に、マクラーレンの歴史から見ていきましょう。
マクラーレンの歴史
「マクラーレン」という名前を聞いて真っ先に思い起こすのは、F1全盛期に大活躍していたレーシング・チームとしての姿ではないでしょうか。
その通りで、1963年に設立されたイギリスのレーシング・チーム「マクラーレン・レース・リミテッド」の知名度のほうが圧倒的に高いです。
80年代後半から90年代半ばにかけて、F1GPで圧倒的な成績を残したレーシング・チームの輝かしい功績は、マクラーレンの名をとどろかせた歴史の重要な1ページです。
マクラーレンの創業者 ブルース・マクラーレン
マクラーレンを作り出したのは、ニュージーランド出身のブルース・マクラーレンという青年でした。
ブルース・マクラーレンは若干14歳にして当時古かったオースティン7という車でヒルクライムレースに初出場。
その後、フォード10、オースチン・ヒーリー、F2クーパーClimaxスポーツを自ら改造して、1957、1958年にニュージーランドチャンピオンシップを獲得しました。
1959年から1965年までクーパー社製のマシンでF1に参戦、1959年のアメリカGPで初めてF1で優勝。
1963年に自らのプライベートチーム「ブルース・マクラーレン・モーターレーシング」を立ち上げました。
ドライバーとして活躍しながらも、オリジナルのシャーシを制作、供給を行うコンストラクターズにもなりました。
「マクラーレン・オートモーティブ」
一方、1990年に設立された「マクラーレン・カーズ」を母体として、2009年に発足した「マクラーレン・オートモーティブ」。
超高性能市販車の製造・販売会社としての一面も持っています。
マクラーレンは、レーシングカーとしての歴史は長いのですが、レース場以外で見られるようになったのはつい最近なんですね。
自動車メーカーとしての側面にフォーカスして、新しいマクラーレンの歴史を見ていきます。
1991年:マクラーレン・カーズが初めてとなる市販ロードカー「F1」を発表
1993年:F1の販売がスタート
2009年:マクラーレン・オートモーティブ設立、F1以来16年ぶりとなる量産車「MP4-12C」販売開始
2013年:1位を意味する「Position 1」を名前に冠した「P1」がデビュー
2014年:マクラーレン、新型「650S クーペ」と「650S スパイダー」の2モデルをワールドプレミア
2015年:マクラーレン、ジュネーブでのモーターショーにおいて、「675LT」を世界限定500台で生産・販売することを発表
2017年:3月、650Sの後継モデルとなる「720S」が、第87回ジュネーブ国際モーターショーでワールドプレミア
ロードカーとしてまだまだ歴史は短いですが、これだけの車種と生産数を誇っているのですね。
マクラーレンエンブレム由来
1965年にF1デビューを果たし、ル・マン24時間優勝などといった輝かしい軌跡を残したニュージーランド人のレーシングドライバーブルース・マクラーレン。
彼のレーシングチームとして1963年にスタートしたのがメーカー「マクラーレン」の始まりです。
元々マクラーレンのエンブレムには、創業者のブルース・マクラーレンの故郷であるニュージーランドの国鳥、キウイが描かれていました。
ニュージランドのシンボルでもある飛べない鳥キウイを取り入れた“Speedy Kiwi”が、当時のマクラーレンの象徴でした。
そして、Speedy Kiwiは今でも人気で、マクラーレンP1ニュージーランド第一号にも付けられ、他のモデルにもこのエンブレムは使われているんですよ。
1980年代には、当時最大のスポンサーだったフィリップ・モリス(PM)から提供された、マルボロのパッケージをイメージした新しいロゴが作られました。
そして、現在の「スピードマーク」に進化しています。
マクラーレンのアイコンでもある「スピードマーク」
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リアウィングで作られた空気の渦からインスピレーションを得ているデザインで、レーシングカーのスピード感をイメージしています。
マクラーレンのカンパニーカラー
エンブレムの由来を知っていただいたところで、マクラーレンと言えば「パパイヤオレンジ」カラーですよね。
実はこれもブルース・マクラーレンが決定したもので、母国ニュージーランドのナショナルカラーであるオレンジを1968年に採用。
ブルース・マクラーレンはニュージーランド出身ながらも、レーシングチームそのものの国籍はイギリスでした。
当時の慣習として、本来ならばマシンのカラーはブリティッシュグリーンであるべきですが、あえてその慣わしを自身のチームを目立たせるために無視をした、とされています。
カンパニーカラーのオレンジ、スピードマーク共にブルース・マクラーレン自身の「想い」が起源なんですね。
マクラーレンの全てが詰まったエンブレム、赤いブーメランの由来は? : まとめ
いかがでしたか?
エンブレムに込められた想いを紐解くとさらに車への愛着が湧いてきますね。
マクラーレンはエンブレムにも、製造者の想いがしっかりと詰まっています。
車選びの際に、エンブレムの意味も知っておくと選択肢も広がりますよ。