そんな疑問にお答えします。
パテックフィリップアクアノートの価格推移のグラフを見ていた時、私は思いました。
「どうしてこんなに価格が変動するの?」
「なんで安定しないの?」と。
思い立ったが吉日。
早速調べてみることに。
調べてみると、パテックフィリップアクアノートの価格が変動する理由は日本だけではなく、ワールドワイドな問題にまで発展していました。
この記事では、パテックフィリップアクアノートの価格変動の原因の1つ、為替について説明しています。
記事を読んでいくにつれて、ニュースで言っている世界経済の状況が、徐々に分かってきます。
難しい言葉でもかみ砕いて書いてありますので、気軽に読んでみて下さい。
目次
価格推移から読み解く「需要と供給」のバランス
価格変動と需要と供給の関係は、きっても切れない関係です。
中学生で習いましたが、時間が経過しているので、忘れているかもしれません。
一度、復習していきましょう。
基本の「キ」ですから、覚えていて損はありません。
「需要?」「供給?」一体どんなもの?
分かりやすく理解できるように、ポイントを絞って説明していきますね。
需要とは、「ほしい」という気持ち。
需要とは、「つくる」という行動。
「ほしい」とか「つくる」といった言葉は、抽象的で理解しにくいです。
そこで、誰でも理解できるように、需要と供給を数字で表しました。
それが、需要量と供給量です。
需要量・・・消費者が価格をみて「買おう」とする量。
供給量・・・生産者が価格をみて「売ろう」とする量。
と覚えておいてください。
需要量と供給量は商品の価格に影響します。
需要量が増えると価格が上がり、供給量が増えると価格が下がる。
需要量と供給量のバランスが釣り合っていると価格が安定し、逆に需要量と供給量のバランスが崩れると価格が変動します。
具体例から学ぶ、「需要と供給」
より理解を深めるために、私が大好きなラーメンで説明しますね。
私が通っているラーメン屋さんには、とてもおいしい塩ラーメンがあります。
すると、たくさんの人が「食べたい」と思い、行列を作ります。
行列のできるラーメン屋さんです。
行列ができるほどの人気な塩ラーメンなら、少しぐらい値段をあげても売れちゃいます。
このように、お客さんが欲しいと思う量(需要量)が多い時は、値段を高くしても売れます。
人気がでてきたため、ラーメン屋の主人は次々と店舗を増やしていきました。
2件、3件と増やしていき、最終的には50店舗まで増やします。
お店を増やすと、おいしい塩ラーメンが並ばなくても食べられるようになりました。
すると、お客さんが欲しいと思う量(需要量)より、つくる量(供給量)の方が大きくなります。
以前は行列を作って食べていた塩ラーメンも、いつでも食べられる塩ラーメンならお客さんは離れてしまいます。
こうなってしまったら、価格を下げないとお客さんはきてくれません。
このように、商品が作られている量(供給量)よりも、お客さんが欲しいと思う量(需要量)が多いと価格が上がります。
逆に商品が作られている量(供給量)よりも、お客さんが欲しいと思う量(需要量)が少ないと値段が下がります。
テストに出るわけでもありませんので、需要と供給の詳細を覚えておく必要はありません。
「需要量と供給量のバランスで価格が変動する」という事だけ覚えておけばOKです。
家庭教師のトライで実際行っている「需要と供給」の授業の動画です。
CMでお馴染みのキャラクターも出てきます。
出典:YouTube
パテックフィリップアクアノートの取引はドル建て
パテックフィリップアクアノートをはじめ、高級時計は「ドル建て」で取引されています。
つまり、パテックフィリップアクアノートは日本円でもなく、スイスのスイス・フランでもなく、アメリカのドルで取引されているのです。
ドルで取引する場合、どうしても為替の事を考えなければいけません。
「ドル建て」は、世界の共通決済
ドル建てとは、ドルで決済する事を言います。
ドル建て以外にも、日本円で決済する円建てや、ヨーロッパで使用している通貨ユーロ建てなどがあります。
今は、世界の基準通貨である、ドルで決済する場合が多いです。
ドル建ての割合は以下の通りです。
日本から世界に向けた輸出取引
米ドル建47%
円建42%
ユーロ建7%
その他4%
日本の世界からの輸入取引
米ドル建72%
円建23%
ユーロ建3%
その他2%
輸入取引の場合、ドル建ての割合が72%と高いです。
パテックフィリップアクアノートもドル建てだと納得できます。
外国為替とは何?
ドル建てで取引を行う場合は、外国為替の事を理解しないといけません。
外国との取引を行う場合には、自国のお金は使用できません。
取引に使えるように、通貨の交換を行う事を外国為替と言います。
1ドルを〇〇円で交換するといった交換する比率を為替レートといい、毎日変動しています。
どこで為替レートを決めているの?
交換する比率を決めているところを、外国為替市場と言います。
市場と名前がついているので 特定の場所で取引をしていると思った方は多いのではないでしょうか。
外国為替市場は特定の場所で取引をしていません。
24時間世界中で、インターネットや電話などを使って取引をしています。
特に取引が盛んな都市名をとって、イギリスなら「ロンドン外国為替市場」、アメリカなら「ニューヨーク外国為替市場」、日本では「東京為替市場」と呼んでいます。
為替の豆知識
為替は1973年から変動相場制を採用しています。
変動制をとる前は、固定相場制を採用しており、1ドル360円で固定です。
少し難しい事を説明してきました。
ここでは、「外国為替市場という通貨を交換する比率を決めている機関がある。」とだけ覚えておけば十分です。
円安・円高が最大の要因?
円高・円安が価格変動に大きく関わってきます。
私もたまに混乱しますが、丁寧に説明していきますね。
先程、外国為替市場で為替レートが決まると、説明しました。
今度は為替レートを使用して、外国のお金を自国のお金に変換しなければなりません。
交換する度に、為替レートを使用して算出していたら、面倒ですし大変です。
そこで、昨日の自国のお金を基準にし、昨日の価格より高くなった、安くなったと判断する指数が円安、円高です。
ここから、さらにややこしくなりますが、ついて来て下さい。
円高・・・日本の通貨である円が、外国の通貨に対して価値が上がることをいいます。
円安・・・円高の逆で日本の通貨である円が、外国の通貨に対して価値が下がることをいいます。
ここで大事なのが、価値で判断するという事です。
突然ですが問題です。
昨日1ドルを100円で購入できたのですが、本日1ドルを200円払わないと購入できません。
これは、円高でしょうか?
それとも、円安でしょうか?
答えは、円安です。
「1ドル100円⇒1ドル200円に上がったから、円高でしょう。」とお叱りの声が聞こえてきそうです。
先程も説明しましたが、お金の価値で判断します。
昨日1ドルを100円で買えたのに、本日1ドルを買うのに200円払わないと買えない。
言い換えると、「本日100円では0.5ドルしか買えない」と、なります。
1ドル100円の時と比べ、半分しかドルが買えないので、円の価値が下がった。
円の価値が下がったから、円安になるのです。
頭の中がすっきりしない人もいると思うので、今後はドルを基準として考えてみましょう。
1ドル100円⇒1ドル200円になったという事は、昨日に比べ本日は2倍の200円払わないと、1ドルが買えません。
ドルの価値が2倍になりました。
ドルの価値が上がり、ドル高となります。
外国のお金の価値と日本円のお金の価値は、シーソーのような関係性があります。
ドルの価値が上がると、円の価値が下がる。
逆にドルの価値が下がると円の価値が上がる。
このように考えると、頭の中がすっきりするのではないでしょうか。
円高、円安の説明もあともう少しです。
円高のメリット・デメリット
メリット:輸入品を安く買えること。
デメリット:輸出品が売れなくなるので不景気になりやすい。
円安のメリット・デメリット
メリット:輸出品がよく売れるので景気が良くなりやすい。
デメリット:輸入品の価格が高くなる。
それは、昔に比べ日本はモノを輸出しなくなり、円安のメリットを受けられなくなったからです。
昔はメイドインジャパンが当たり前でしたが、現在はメイドインタイや、メイドインチャイナが当たり前です。
輸出品が少なくなり、売るものがなく円安のメリットが受けられない。
しかし、日本は輸入品に頼っている国ですので、輸入品の価格が高騰する。
ダブルパンチで、不景気になるからです。
話は元に戻りますが、円高では、輸入品の値段が下がり、円安では、輸入品の値段が上がるとだけ、覚えておくだけで十分です。
円高・ドル安、円安・ドル高の説明をしている動画です。
この動画を見て、理解度を深めましょう。
出典:YouTube
パテックフィリップアクアノートの価格を変動させる8つの要素
価格を変動させる一番の要素は、需要量と供給量のバランスが崩れているからです。
その他に、価格を変動させる要素が8つもあります。
あともう少しなので、頑張ってついてきてください。
貿易収支
日本企業が海外にモノを輸出した場合、代金として受け取ったドルを円に換える必要があります。
これは、先程勉強しましたね。
ドルを売り、円を買う取引が多くなれば「円高・ドル安」傾向になります。
逆に、日本企業が海外からモノを輸入した場合、円をドルに換えて代金を支払う取引が多くなります。
「円安・米ドル高」の傾向です。
こうした動きを国全体で見たのが貿易収支です。
貿易収支が黒字というのは、円高要因を含んでいて、逆に貿易赤字の場合は、円安要因になります。
現在の日本は約11兆円の貿易赤字です。
貿易赤字だから円安なのか、円安だから貿易赤字なのかはわかりませんが、早急に対策を取る必要がありますね。
投資収支
日本の投資家が米国の株や債券を買おうと思ったときは、円を米ドルに換える必要があります。
逆に米国の投資家が日本の株や債券を買うためには、米ドルを円に換えなければなりません。
これを国全体でとらえたのが投資収支です。
要するに、株や債券が買われる国の通貨は上がりやすく、売られる国の通貨には下がりやすくなります。
日本の株や債券が買われる場合には「円高」になる傾向です。
逆に、日本の株や債券が売られる場合には「円安」になりやすいのです。
今の日本は急激な円安なので、日本の株や債券が売られている状態です。
日本の株や債券が売られているという事は、日本円の価値が低いという事です。
価値の低い円を買うより、価値の高いパテックフィリップアクアノートを購入した方がお得になる。
その結果、パテックフィリップアクアノートの供給量が減るので、パテックフィリップアクアノートの価格が高騰するのも納得できます。
景気動向
景気が良いということは、経済活動が活発です。
投資家たちは、株価の値上がりを見込んで、その国の株式市場に資金を注入し利益を得ようとします。
資金を注入した結果、通貨高要因になります。
一度はニュースなどで耳にしたことがある「雇用統計」。
毎月第一金曜日に発表されていますが、米国の景気動向を見る指標の1つとして注目されています。
この指標の数値が予測より高ければドル高、低ければドル安となる傾向です。
金利
新聞やニュースなどで頻繁に報道されているアメリカの金利。
アメリカの金利は、2回連続で0.75%上がりました。
金利も価格変動の1つです。
日本の低金利の円を売って、アメリカのように高い金利の通貨を買えば、金利分儲かります。
このように低金利の国の通貨を売って、金利の高い国の通貨を買う取引が増えれば円安要因となります。
今後アメリカの金利に、注目してみましょう。
アメリカの金利次第では、ますます円安が進むかもしれません。
物価
物価が上昇するということはモノの価値が上がり通貨の価値が下がるということです。
つまり、インフレーション状態です。
物価上昇率が高い国の通貨は価値が下がることにつながるため、売られやすくなります。
物価が上がり過ぎるとその国の政府や中央銀行は金利を上げて物価上昇を抑えようとします。
金利と同様、円安の要因となります。
金融政策の動向
各国の中央銀行は、上記の物価や景気安定化のために金融政策を実施しています。
各国は経済成長率や物価の低下・下落が見込まれる場合には、金融緩和を実施します。
その結果、経済成長率、物価が上昇する傾向があります。
このように金融政策の動向によって相場は大きく変動します。
そのため、各国の中央銀行の景気・物価の判断、金融政策の見通しは為替市場でも大きな注目材料となっています。
地域紛争や自然災害など
地域紛争やテロ事件、自然災害などの有事があると経済が混乱すると考えられます。
混乱が予想されるため、当該国の通貨が下落する可能性があります。
ウクライナ戦争がいい例です。
アメリカのドルに対しロシアのルーブルはガクンと下がりました。
市場心理
現在、通貨の取引は、モノの売買よりも投資などで利益を得ようとする取引の方が圧倒的に多いです。
そのため人の心理が大きくかかわり、上がったから買う、下がったから売るというように為替レートの動き自体が買いや売りにつながったりします。
また、特段の理由もなくジェットコースターのように乱高下したりもします。
Apple社が売り上げ予想を下方修正で発表した時のように、パニック売りが起きて大きく下落もしました。
人の心理を読むことは、非常に難しいです。
パテックフィリップアクアノートの価格推移から学ぶ価格変動の要因:まとめ
まとめとしまして
- 価格推移から読み解く「需要と供給」のバランス
- パテックフィリップアクアノートの取引はドル建て
- パテックフィリップアクアノートの価格を変動させる8つの要素
を紹介してきました。
価格変動を起こす要素は、たくさんありどれも難しい言葉でした。
しかし、全て覚える必要はありません。
自分の興味のある事だけ覚えるのも良し、毎日1単語づつ覚えるのも良し。
何か1つでも覚えておけば、必ず人生の糧(かて)になります。