そんな疑問にお答えします。
雲上ブランドヴァシュロン・コンスタンタンのオーバーシーズ。
正規店では、めったにお目にかかれないだけに、どうしても手にとってみたくなりますよね。
わたしも、正規店を何店舗か回りましたが、今まで一度も見たことがありません。
そんなラグジュアリー・スポーツウォッチとして名を馳せてきたオーバーシーズの凄まじい人気は、時計市場で確かな存在感を放っています。
これだけ高価な時計にも関わらず、需要が多く供給が追いていない状況にはどんな理由が隠されているのでしょうか。
今となれば正規店で買えない、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーバーシーズの歴史を紐解きながら、今後の動向まで説明していきます。
目次
【雲上ブランド】ヴァシュロン・コンスタンタンについて
ヴァシュロンコンスタンタンはスイスの名門の時計ブランド。
その歴史はとても古く、1755年にジャン=マルク・ヴァシュロン氏によってスイスのジュネーブに創業。約250年の歴史を誇ります。
これがヴァシュロンコンスタンタンの始まりなのですが、それ以降、継続的に時計を作り続けている、世界最古のブランドです。
パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲと共に世界三大高級時計メーカーの一角を担い、世界的にもステータス性のあるメーカーとして知られています。
騎士道精神を表す、トレードマークのマルタ十字が輝くダイヤルの腕時計は、世界中で愛されています。
わたしもこのマルタ十字を見ると、高級感はもちろん、重厚感を感じてドキドキします。
ヴァシュロン・コンスタンタンの功績
ヴァシュロンコンスタンタンは複雑な機構を持つ「機械式時計」を数多く生み出しただけではなく、宝石を贅沢にあしらった美しい宝飾時計を作るメーカーとしても有名です。
有名なオーヴァーシーズをはじめ、メンズ腕時計で高い人気を誇っています。
ヴァシュロン・コンスタンタンのキャッチコピーは「永遠の時を生み出すマニュファクチュール」。
このキャッチコピーの通り、時計をムーブメントから自社で一貫製造しています。
ヴァシュロン・コンスタンタン【オーバーシーズ】
1755年創業の、時計業界でも屈指の歴史を誇るメーカー、ヴァシュロン・コンスタンタンが1996年に発表したスポーティなモデルがオーバーシーズです。
そして、例にあげてみると2016年に発売されたRef.4500V /110Aという型のオーバーシーズは、美しいローターをもつ、ジュネーブシール取得のCAL.5100を搭載している魅力的な時計。
ブランドのロゴ「マルタ十字」の意匠を取り込んだデザインが特徴です。
一流ブランドのロゴが持つ特別な意味合いを一身にうけたこの魅力あるデザインは、外見、内面ともに最高峰の腕時計といいえます。
オーバーシーズの特徴
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オーバーシーズの特徴をひとつずつ説明していきます。
オーバーシーズ、特徴
- 高い実用性
- ヴァシュロンコンスタンタンの中ではスポーツタイプ
群を抜く 実用性の高さ
高い実用性「高い防水性」、「高い耐磁性」が備わっています。
この実用性が、数あるヴァシュロン・コンスタンタンのモデルの中でも、屈指の人気を誇る理由です。
スポーティなデザインが特徴のオーバーシーズ
スポーティで機能的且つ現代的な雰囲気をもつ「オーバーシーズ」。
アクティブでスピーディーな現代のライフスタイルに最適の本格スポーツウォッチです。
入手困難な背景にはどんなことがあるのか
なぜこんなに手に入いりにくいのかには今に始まったことではありません。
そして今後、さらに購入のハードルが上がる可能性があると思われるヴァシュロン・コンスタンタンオーバーシーズ。
その要因としてまず「腕時計バブル」といっていい状況が長く続いていたことにあります。
ヴァシュロン・コンスタンタンはもちろん、パテックフィリップ、オーデマピゲも「普通に買うこと」はまず不可能な状況が続いていました。
背景として、ラグジュアリースポーツブームが起こり、オーバーシーズは大幅に相場が上昇しました。
新世代の4500Vの青文字盤、最近では黒文字盤も400万円を超えてくる相場です。
さらに、ヴァシュロン・コンスタンタンに限らず、これまでは入手が比較的容易だったタグホイヤー、オメガ、ゼニス、ブライトリングなどについても「限定」と銘打てば一瞬で完売してしまうような状況の世の中です。
全ての始まりはクォーツショック
パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンはなぜ正規品を定価で入手することが困難なのか。
その答えはクォーツショックに紐づいています。
腕時計バブルのすべての始まりは、セイコーが1969年に発表した、正確性と信頼性が大きな特徴のクォーツ式時計「アストロン」が発端といわれています。
クオーツ式時計の登場当初は、非常に高価であったクオーツ式時計も、後にセイコーが特許を開放することで一気に普及することになりました。
それまで高価な腕時計であった機械式腕時計の存在を揺るがす出来事となり、同時にクォーツ式腕時計を製造するメーカーが急増しました。
世界の腕時計市場を支配していたスイス腕時計業界は大きくダメージを受けることになり、中には廃業を迫られた会社も少なくありません。
さらに、それまで機械式腕時計を製造していたスイスの腕時計メーカーですらクォーツ式へとシフトしなければならないといった状況にも追い込まれていました。
機械式腕時計の資産価値を高める動きが活発に
機械式時計が、信頼性、価格、手軽さにおいてはクォーツ式腕時計に敵わないのは明白であり、そうであれば、クォーツ式腕時計と競合するという考え方を捨てようという考え方が生まれました。
この思想を形にした代表的な腕時計メーカーが老舗のオーデマピゲ、パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンで、次々とクオーツ式腕時計に対抗する時計を発表しました。
オーデマピゲ
「軽く薄く小さい」クオーツに対して「デカくて厚い」機械式腕時計ロイヤルオークを1972年に発表。
パテック・フィリップ
1976年にロイヤルオークのデザイナー、ジェラルド・ジェンタを起用した、ノーチラスを発表。
ヴァシュロン・コンスタンタン
1977年の創業222年というアニバーサリー・イヤーに222本限定にて「ヴァシュロン・コンスタンタン222」を発表
222は、ロイヤルオーク、ノーチラス同様にステンレススティール製のラグジュアリースポーツのシンボルとなりました。
222を原点に誕生したオーバーシーズ
1977年のヴァシュロン・コンスタンタン創立222周年のアニバーサリーモデル「222」がルーツとなり誕生したオーバーシーズ。
現在までリリースされている人気モデル 「オーバーシーズ」は3世代にわたって展開されています。
当初、オーバーシーズはヴァシュロンコンスタンタンの持つ「雲上」や「伝統」、「歴史」といったイメージとは逆に、カジュアルでダイナミックでスポーティなデザイン性は、入門機的な立ち位置でした。
2016年にモデルチェンジを果たした現行モデルは、裏蓋がシースルーとなり、ノーチラスやロイヤルオーク同様にムーブメントを鑑賞することができるようになりました。
それが、オーバーシーズが超高級に恥じない格と人気を得ることになりました。
オーバーシーズの今後の価格動向
ヴァシュロン・コンスタンタンの相場は雲上時計の価格高騰に合わせて大きく値上がりしています。
以前はスポーツタイプのロレックスに少しお金を足せば買える時計といったイメージが強かったことを考えれば、かなり急騰しています。
ただ、そのスポーツタイプのロレックス自体もデイトナを筆頭に、市場では大きな価格高騰が起こっていて、もはや高級時計市場自体が異例の値上がり状態となっています。
そして、どの時計メーカーも、ステンレスモデルで青文字盤の時計が、なかなか確保できない状況でもあります。
オーバーシーズはもちろん、パテック・フィリップのノーチラスや、オーデマピゲのロイヤルオークも店頭でお目にかかれることなんてめったにありません。
なかなかこの状況は変わりそうにありません。
オーバーシーズは2022年8月現在、既に450万円前後からと、極めて高い値付けが当たり前となりつつあります。
どうしても欲しいという方は中古品に注目!!
ヴァシュロン・コンスタンタンのブランドの顔でもあるオーバーシーズ。
正規店でなかなかお目にかかることもできない希少品なだけに、購入がなかなかできない状況です。
こんな状況でも、どうしても手に入れたいと思うのはオーバーシーズファンからしたらみな同じではないでしょうか。
正規店が難しければ、中古に目を向けてみると、憧れのオーバーシーズに出会える可能性は十分ありますよ。
中古といえども、新品に近いものはたくさんあるので、ぜひ一度ご自身の目で確認してみてください。
ちなみに、わたしの友人は中古で購入していました。新品同様の美しくかっこいいオーバーシーズにわたしも惚れ惚れしました。
なぜ!?ヴァシュロン・コンスタンタンオーバーシーズが買えない理由 :まとめ
ヴァシュロン・コンスタンタン、オーバーシーズが買えない理由は、時計市場の歴史とも深く関わっていることがわかっていただけたと思います。
今後もまだまだ続く、ラグジュアリースポーツ人気に、オーバーシーズの価格改定もしばしば行われます。
市場動向を知れば、価格の変動にも敏感になれます。
諦めず、憧れのヴァシュロン・コンスタンタン、オーバーシーズを探す旅に出かけましょう。