そんな疑問にお答えします。
わたしが、初めて高級時計を購入した時、嬉しくて目の前の時計の「本体の費用」にしか目がいきませんでした。
わたしが購入したオメガスピードマスター。大切に使っていましたが、一度机にぶつけてしまい修理にだすことに。
その時の修理費の高さにびっくり。そして、オーバーホールにも出さなければならない時期だったので、修理費とメンテナンス費で、約10万円かかってしまいました。
購入時、維持費のことなんて全く考えてなかったので、かなり落ち込みました。
高級時計にかかる費用は、「購入費用」だけではなく、所有し続ける限り「維持費」はずっと発生するということを必ず頭にいれておきましょう。
この記事では、
- 高級時計の維持費にはどんな費用がかかるのか
- どの程度の金額になるのか
を詳しく説明していきます。
せっかく買った高級時計だからこそ、後で後悔しないように、維持費の大切さを学んでおきましょう。
目次
高級時計 必ずかかる【維持費】とは
高級時計を買った後、必ずかかってくる「維持費」高級時計を長く使うために必ず必要なことは、
- オーバーホール
- 研磨作業(仕上げ作業)
- ベルトの交換
- 修理
そのためにかかる費用は、「修理費」と「メンテナンス費」この2つです。
修理費
落としてしまい凹んでしまったなど、メーカーや修理店に出すことでかかる費用のこと。
修理費は、もちろん時計の破損具合、状況によります。
メンテナンス費
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オーバーホール、電池交換やフェイスの磨き上げ、ベルト交換などにかかる費用のことを言います。
腕時計に法的な点検義務はないので、オーバーホールのタイミングは自分で選ぶことができます。
一般的には3-5年と言われていますが、使用頻度によってもオーバーホールをするタイミングは変わってきます。
では、ひとつずつみていきましょう。オーバーホールは最後に説明します。
電池交換
電池交換は、メンテナンス費用として考慮する必要があります。
正規メーカーか、時計修理店で交換できます。
電池が切れたまま放置しておくと内部で液漏れを起こしてしまい、ムーブメントそのものの劣化に繋がってしまうので注意が必要です。
電池交換の費用は、メーカーの正規メンテナンスは高額になるため、一概にメーカーに持ち込んだ方がいいとも言えないのが現実です。
高級時計になれば5000円以上かかることが多く、一般的な時計屋で1,500円~が目安です。
研磨作業(仕上げ)
腕時計はどんなに丁寧に着けていても、必ず傷が付きます。
そのため、腕時計を綺麗に保つためにオーバーホールのタイミングで研磨作業を頼むことをおすすめします。
メーカーによっては、研磨がオーバーホール料金に含まれていることもありますが、お願いすれば追加料金が発生します。
ケースの素材などによっても値段は変わってきますが、おおよそ1万円~2万円という相場です。
ベルト交換
高級時計に多く使用されているラバーベルトや、革ベルト。
これは消耗品なので、使用頻度が多ければ多いほど、1〜2年で交換が必要になってきます。
金属のベルトでも何十年も使っていれば伸びてしまったり切れたりすることもあります。
費用は、依頼先やベルトの素材によっても大きく変わってきます。
メーカーに正規ベルトの交換を依頼する場合には、70,000円〜80,000円と高額になるケースも少なくありません。
ブレスレットの素材によっては、100,000円以上かかることもあります。
一方、時計修理業者に依頼をした場合、20,000円から30,000円程度が平均の相場となります。
ただ、時計の状態によってはこれよりも高くなるケースもあるので、事前にしっかりと見積もりをとってもらうことが大切です。
では、最後に最も重要な【オーバーホール】とはどんなことをするのか、費用も合わせて見ていきましょう。
高級時計には必須【オーバーホール】
高級時計の中には電池で動くクォーツ式のものもありますが、一般的に高級腕時計というと、機械式腕時計です。
機械式の腕時計を長く使うなら、メンテナンスが絶対にかかせません。
時計を分解して部品をすべて洗浄、組み立てながら注油を行う作業をオーバーホールと言います。
クォーツ式でも電池交換のみでなく、オーバーホールは必要です。
この場合は内部の機械を新しいものにまるごと取り換えてしまうメーカーも多いです。
このオーバーホールですが、メーカーで行う場合と、時計修理業者で行なう2通りの方法があります。
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オーバーホールにかかる費用
機構や、ブランドによっても大きく金額は変わります。
機構はシンプルな手巻き→自動巻き→クロノグラフ→複雑系モデルと値段が上がっていきます。
また、アンティークなどの古いモデルの料金が高くなる傾向があります。
代表的な時計ブランドのオーバーホール料金を例にあげてみます。
ロレックス
シンプル3針 | 43000円〜 |
クロノグラフ | 60000円〜 |
オーバーホールの目安を10年としているロレックス。
ロレックスのオーバーホール料金は安い方です。
パッキン等の消耗品は別料金となり、上記の基本料金、プラス約1万円~2万円と考えましょう。
タグホイヤー
クォーツ3針 | 27500円〜 |
機械式3針 | 38500円〜 |
エドワードクラブというオーナークラブに入会することで、オーバーホール料金が4割ほど安くなるという少し特殊なシステムをとっています。
上記の金額は、正規店での購入時のみの金額なので、中古品を購入した場合は、専門業者に任せた方がベターです。
オメガ
クロノグラフクォーツ | 57200円~ |
クロノグラフ機械式 | 85800円~ |
クロノグラフ以外クォーツ | 51700円~ |
クロノグラフ以外機械式 | 63800円~ |
中古品での価格が魅力的なオメガ。実は中古ならかなり安く購入できます。
ただ、注意してほしいのが、オーバーホール料金は別、ということ。
オメガに限らずスウォッチグループのモデルはかなり割高です。
長く使うためには、日頃から自分でできるお手入れもした上で、オーバーホールには必ず出すようにしましょう。
このように、時計を維持するには必ず維持費がかかってきます。
なぜこんなに維持費をかけなければならないのか、理由に詳しく迫ります。
維持費をかけてこそ一生ものになる高級時計
上記で説明したように、高級時計のメンテナンス費用は意外とかかります。
オーバーホールに出すにしても、時計の種類にもよりますが3万円から8万円など、かなり高額のお金を支払うことになります。
では、なぜここまで維持費を掛ける必要があるのでしょうか。
- 時計の寿命が延びる
- 維持費を節約しすぎると後悔する
では、ひとつずつ確認していきましょう。
時計の寿命が延びる
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一般的に市販されている時計の寿命は約10年前後と言われています。
これはしっかりと維持をした場合の年数であり、意外と短いことがわかります。
その点、高級時計は「一生もの」といわれますが、それでもやはり寿命は存在します。
例えば、機械式時計は50年前後、ソーラー時計やクォーツ時計は約10年と言われています。
メモ
クォーツ式よりも機械式の方が耐久年数が長い理由は、クォーツは電子回路が故障すると修理交換がほぼ不可能になってしまいます。
機械式時計はゼンマイを用いて動力を確保する仕組みなので、うまく維持すれば数十年時を刻んでくれます。
基幹パーツが摩耗してしまうと、そのときに寿命を迎えますが、部品が経年劣化に関しては、部品交換により対応することも可能です。
ここからもわかるように、高級時計を長く愛用したいのであればメンテナンスが必須なことはわかっていただけたかと思います。
オーバーホールや部品の交換、ネジの調整など、修理する項目はたくさんあります。
維持費を節約しすぎると危険
高級時計は非常にデリケートな機械で、100から1,000を超える部品が組み込まれています。
それだけの部品を正常に維持するためには定期的な点検や修理などが必要でやはり維持費がかかります。
高級時計の購入を検討する際は、数年に一度、必要になるオーバーホールには数万円のお金がかかるということを必ず覚えておいてください。
そして、数年に一度といえど、決して安くないオーバーホールにかかる費用。
できれば節約したいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、維持費を節約しすぎることは、時計を長持ちさせるという観点ではかなり危険な行為です。
やはり、専門家の目でしっかりと時計の状態を確認しておかなければ、故障の有無や修理の必要性はわたしたちではわかりません。
そして、定期的に点検に出しておくことで故障やその他の問題も早期に発見され、結果的にはコストが安く済む場合も多いのです。
なんでも早期発見が、後々大事に至らなかったりします。
なので、時計のオーバーホールも節約しすぎないように心がけてください。
でも、実は普段から意識できる、節約に繋がる方法もあるんです。
この節約方法を意識するだけで時計が長持ちすることもあります。
日頃から意識できる 節約方法
当然ですが、少しでも時計の劣化や傷などを防げると、自然に修理費、メンテナンス費をかけなくてすみます。
では、普段からどんな事ができるのか見ていきましょう。
無駄遣いをしない
ムーブメントが搭載されているとついつい使いたくなりますが、ストップウオッチの使用は電池の消費を早めることになり、部品の劣化を招いてしまいます。
こうした機能の無駄遣いをやめ、適切なタイミングで使用するようにすると時計も長持ちします、
自分でメンテナンスを行う
毎日の汚れを専用の布で拭いたり、クリーナーを使って綺麗にすることは誰もが自宅でできるメンテナンスです。
時計のお手入れを頻繁に行うことで時計の変化にもすぐ気づくことができます。
高級時計の構造はとてもデリケートなので内部の清掃、部品の分解などはよほど知識がなければ避けましょう。
逆に故障に繋がり、修理費がかさむリスクがあります。
高級時計を購入する前に、忘れてはならない【維持費】
実際に、初めて高級時計を購入する方は、維持費がかかること、維持費がどれくらいなのかを知らない方も多いと言います。
わたし自身も、わたしの友人もこのような失敗談があります。
「メンテナンスを忘れてしまい思わぬ出費になってしまった」
「維持費がこんなに高いと思ってなかった」
「オーバーホールの時期を忘れ故障してしまった」といった感じです。
オーバーホールの費用は3万円〜8万円が相場なので、数年に一度は、この代金は必ず必要になってきます。
そして、インターネットを見ていても、オーバーホールのタイミングを逃してしまった、忘れてしまったと言う意見が以外と多いことに気づきました。
オーバーホールはメーカーにもよりますが3年から5年ごとに必要になります。
わたし自身も忘れたことがあるので、大好きなサッカーのワールドカップの年に合わせてオーバーホールにだすようにしています。
4年に一度の祭典であり、それはオーバーホールの修理の間隔とも一致します。
ワールドカップが近づいてきたらメンテナンスに出すと決めてからは、忘れたことはありません。
維持費の存在を忘れることは、思わぬ出費にもつながる可能性があり、メンテナンス自体を忘れると時計の寿命を縮めることにつながります。
大切に使用すれば半世紀は持つといわれる時計もあるので、忘れず行いましょう。
買ってから後悔しないように!!知っておくべき高級時計の「維持費」: まとめ
いかがでしたか?
せっかく購入した高級時計と、うまく、長く付きあって行くために、維持費がどれだけ大切か理解していただけたと思います。
あらかじめ、維持費が大体いくらかかるかわかっていれば、後で後悔することはありません。
普段からどのように時計を扱うかで修理になるような状況をさけることもできます。
ぜひ、愛用中の高級時計と長く時間を刻んで下さい。