kannryou
そんな疑問にお答えします。
世界三大時計の一つに数えられる”オーデマ・ピゲ”。
実物写真を見ていても、ほれぼれする美しさです。
高級時計が好きでなくても、「見ていると心が奪われるのではないか?」という魅力があります。
そんな気持ちで検索してみた方なら、きっとその価格に驚愕したことでしょう。
一応、まだ金額を知らない人のために説明すると、定価でも300万円以上。
中古市場などでは物によって1000万円を超えます。
オーデマ・ピゲを身につけることはつまり、乗用車を1〜3台を腕につけて歩くのと同じようなことと言えそうです。
高級時計の中でも特に高級な時計であるオーデマ・ピゲ。
なかなか庶民には手の出せない価格帯ですね。
私は画像を見ているだけでも恐れ多く感じてしまいました(笑)
同時に、「いつの日か手にしてみたい」と思いましたが、きっとそう思ったのは私だけではないはず。
いつの日か夢かなって、オーデマ・ピゲの時計を手にする時のためにも以下のことを知っておくことをおすすめします。
- オーデマ・ピゲの生産数が少ないワケ
- オーデマ・ピゲが高額になるワケ
- 看板”ロイヤルオーク”の魅力と歴史
歴史や時計の価値を知っていれば、入手した際には至高の喜びを感じる事でしょう。
目次
オーデマ・ピゲは年間生産本数が少ない
雲上ブランドとも言われる高級時計ブランドのオーデマ・ピゲは、年間生産本数が少ないブランドです。
ビッグネームとは裏腹に従業員数が少ないことも、年間生産本数の少なさに関係しています。
Google検索で【オーデマ・ピゲ 従業員数】と検索すると、1,450名の従業員数しかいないことが分かります。
ロレックスと比べてみるとオーデマ・ピゲの従業員数が特に少ないことが分かるでしょう。
ロレックスにはなんと、30,000人の従業員がいるようです。
年間生産本数が少ないのも納得がいく、従業員数の差ではないでしょうか。
家族経営を保ち続けている
オーデマ・ピゲの従業員数が少ないのは、家族経営を貫いている稀有なブランドであることが理由に挙げられます。
1875年に高級時計ムーブメント制作会社として設立後より、現在まで家族経営を続けているのです。
伝統やノウハウは、家族経営だからこそ確実に伝承することができます。
強い独立精神と探求心も先代達から引き継いできたのではないかと思います。
そうでなければ、高い技術力と知名度を有しながらも、歩みを止めないブランドでいることは容易くないでしょう。
オーデマ・ピゲが常に進化し続けるのは、家族経営を保ち続けた賜物なのかもしれません。
しかし、家族経営を保ち続けたこともあり、職人の数が足りないという現状もあります。
生産本数の少なさは仕方がない
オーデマ・ピゲの時計の作業の多くは、高い技術力を持った職人による手作業です。
そのため、生産するには多くの時間がかかります。
年間生産本数は4万本程度と言われており、もちろん、そのすべてが日本で販売されるわけではありません。
一年間に世界で4万本しか販売されないため、そのレアリティは言わずもがな。
希少性も相まって、並行輸入市場や中古市場ではプレミア価格で販売されています。
圧倒的な需要に対して、生産本数が足りていないため正規店でも品薄。
現状では、並行輸入市場や中古市場で出回っているものを探すほかありません。
結果、現在ではまさに青天井。価格の上昇がとどまることを知りません。
ネット上では「今後も価格上昇の流れはおさまることがないだろう」と言われています。
オーデマ・ピゲの看板”ロイヤルオーク”の歴史
1969年、時計業界に激震を与えた出来事がありました。
スイスの高級時計業界に大きな試練を与える形になり、休業や倒産していく会社もありました。
そのような中、高級時計業界に新たな風を吹かせたのが”ロイヤルオーク”です。
今ではオーデマ・ピゲの看板でもあるロイヤルオークの歴史を振り返ることで、オーデマ・ピゲの魅力に迫れるかもしれません。
クォーツショックとは
1969年、時計業界に激震を与えた出来事というのが、クォーツショックです。
名前からも想像ができるように、クォーツ時計が時計業界に衝撃を与えました。
現在でも腕時計の中でクォーツ時計は主流。
その特徴を簡単に説明すると、
- 時を刻む精度が高い
- ゼンマイを巻く手間がない
- 磁気や衝撃に強い
- 大量生産可能で安価
以上のような特徴があるので、一言でいうなら実用性の高い時計といえます。
実用性や価格面で優れたクォーツ式時計の流通で、機械式時計の需要は下がりました。
中でも特に大打撃を受けたのがスイス時計業界です。
クォーツ式時計の流通で、機械式時計の売上が急激に減少したことがクォーツショックの正体です。
ラグジュアリースポーツウォッチの誕生
クォーツショックの影響やその他の社会情勢に影響を受け、多くのスイス時計業界は売り上げが落ち込みました。
スイス時計業界の未来すら危ぶまれる暗い時代に、オーデマ・ピゲから革新的な時計が発表されました。
それが、”ロイヤルオーク”です。
高級時計=ゴールドケースという認識のなかで、ステンレス素材を用いた高級時計。
デザインは天才時計デザイナーであるジェラルド・ジェンタが担当しました。
ビスまでもがデザインの一部という、斬新なデザインが印象的なロイヤルオーク。
ラグジュアリースポーツウォッチの元祖でもあるのです。
革新的な特徴は、ステンレス素材を採用したことです。
高級時計=金無垢のイメージを覆す高級時計が、ゴージャスな腕時計として定評のあるオーデマ・ピゲから発表されました。
ステンレスは当時誰も予期していなかったため、大きな反響を呼んだそうです。
それだけではなく、当時では異例の39㎜のケースサイズであったことも話題になりました。
現在ではさらに大きなケースサイズの物も多くありますが、当時の通常ケースサイズは34㎜程度。
圧倒的に大きな時計であったため、”ジャンボ”の愛称がついています。
当然、軽くて丈夫なステンレス素材はスポーティーな場面にピッタリ。
それでいて、細部にまでこだわられた高級感から、ラグジュアリースポーツウォッチの元祖になったのです。
自らの地位に胡坐をかいていては、絶対に誕生する事のなかった時計。
それが、世界初のラグジュアリースポーツウォッチである、ロイヤルオークです。
進化を続ける”ロイヤルオーク”
ロイヤルオークは発表当時の良さを残しながらも、年々進化を重ねています。
例えば、ステンレスケースがアイデンティティの一つであったロイヤルオーク。
しかし、自らその殻を破りゴールドケースのリッチなモデルを発表したのです。
凡人からすれば、アイデンティティを崩した物を発表するなど想像もつかないことをオーデマ・ピゲはしてしまいます。
ヒットしたからといって、進化の歩みを止めてしまうようなブランドではない証拠でしょう。
その他、更なるスポーティーさを兼ね揃えた、大型ケースかつ防水のモデル、”オフショア”が発表されるなど未だに進化を止めることをしていません。
進化の過程を経て、ロイヤルオークは現在50周年を迎えます。
半世紀にわたる堂々たる看板商品、畏怖の念すら抱いてしまいますね。
オーデマ・ピゲの看板”ロイヤルオーク”の魅力
ステンレスケースのみならず、ゴールドケースも販売されているロイヤルオーク。
八角形のベゼルに存在感あるビスが印象的です。
50周年を迎えた事はお伝えした通りです。
しかし、半世紀に及ぶ人気はどこにあるのか気になりませんか?
ここではロイヤルオークの魅力について見ていきましょう。
ロイヤルオークのデザイン
50年間変わることのなかったデザインに、八角形のベゼル、デザインの一部になっているビスが上げられます。
時計好きなら、ちょっと見るだけで分かる印象的なデザインです。
50年前に初代が誕生したにもかかわらず、今なおビスをデザインに採用していることには新鮮さを感じます。
時代で風化する事のないデザインはまさに魅力でしょう。
また、不変のデザインは誰が見ても分かりやすいというメリットもあります。
時計好きなら一目見ただけで、
そう言ってしまうことでしょう。
一目で分かる時計は多くはありません。
後述しますが、ロイヤルオークは希少性が高いです。
そのため、所持をしているという事実がすでにステータス。
ちょっといやらしい話ですが、身につけていたら”優越感”を感じるのは間違いありません。
様々な高級時計の中でも、トップクラスに手に入れにくい程のレアリティ。
優越感を感じないほうが不思議です。
職人の手作り
ロイヤルオークは職人の手作業で作られています。
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美しい文字盤の装飾も手作業。
それを知ると見る目が変わって来るはずです。
美しく細かな装飾が、職人の手作業で丁寧に作られていると考えると、「これは時計の形をした芸術品だ」そう思うことでしょう。
今ではなんでも機械で生産される世の中で、”芸術性”を重視するオーデマ・ピゲ。
その看板であるロイヤルオークも、職人の手作業で”芸術品”へと昇華されています。
高級な素材に高い技術力。それに伴う価格で考えると、定価でも300万程度するのは当然でしょう。
生産本数が増えない事にも納得がいくのではないでしょうか。
止まらない進化
50年間止まることのなかったロイヤルオークの進化。
その進化はこれからも止まることはないでしょう。
ステンレス素材という一つのアイデンティティを自ら塗り替えられる高級時計ブランドです。
「次は何をしてくれるのか?」そう考えるとわくわくしてきますね。
今は50周年記念の時計が発表されています。
もちろん、今までのロイヤルオークを進化させての発表です。
今後の発展にも期待が膨らみます。
【オーデマピゲ】年間生産本数が少ないワケ!高額なのはなぜ!?:まとめ
オーデマ・ピゲの看板である”ロイヤルオーク”。
需要の高まりはとどまることを知らず、それに伴い価格の上昇もおさまる様子がありません。
定価でも300万程度しますが、正規店では手に入れられず。
中古市場でも何百万も高く取引されています。
その理由は年間の生産本数の少なさにあります。
とはいえ、レアリティの高い時計は待っていても、いつ買えるのかわかりません。
プレミア価格には、”本来買えるまでにかかる時間”も含まれています。
つまり、”時計”と”時間”の2つを買うことと同義といえそうです。
そう考えた時、今のプレミア値のオーデマ・ピゲが高く感じるのか、正当に感じるのかは大きな個人差がありそうですね。